横山幸雄(1971-)さんによる
ポーランド出身の作曲家
フレデリック・フランソワ・ショパン
(1810-1849)のピアノ独奏曲全集
8枚目を聴きました。
プレイエルによる
ショパン・ピアノ独奏曲全曲集〈8〉
1) 2つのノクターン 作品32(1936)
第1番 ロ短調
第2番 変イ長調
2) 4つのマズルカ 作品33(1937-38)
第1番 嬰ト短調
第2番 ニ長調
第3番 ハ長調
第4番 ロ短調
3) 円熟期の遺作のワルツ
ヘ短調 WN55(1841)
イ短調 WN63(1847-49)
4) マズルカ イ短調《ノートル・タン》(1840)
5) マズルカ イ短調《エミール・ガイヤールへ》(1841)
6) 《ヘクサメロン》より第6変奏 ホ長調(1837)
7) 3つの新しい練習曲(1837)
第1番 ヘ短調
第2番 変ニ長調
第3番 変イ長調
8) 即興曲第2番 嬰ヘ長調 作品36(1839)
9) 3つのワルツ 作品34《華麗なワルツ》
第1番 変イ長調(1838)
第2番 イ短調(1835)
第3番 ヘ長調(1831)
10) ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 作品35《葬送》(1839)
第1楽章:グラーヴェ ドッピオ・モヴィメント
第2楽章:スケルツォ
第3楽章:レント マルシュ・フュネーブル
第4楽章:フィナーレ プレスト
横山幸雄(ピアノ)
使用楽器:プレイエル(1910年製)
録音:2011年5月10・11日
上野学園 石橋メモリアルホール
【KICC-920】※2011年9月発売
7枚目のあとだいぶ時間を置きました。
CD8には、
25歳から31歳(1835-1841)のころの作品を集めてあります。
21歳の時(1831)に
ウィーンからパリに移住し大成功をおさめた後、
呼吸器系の疾患によって、
ポーランド人貴族の娘マリアとの婚約が破棄され(1837)、
その後知り合った
フランスの女流作家ジョルジュ・サンドとの
マジョルカ島への逃避行(1838)、
その後パリに戻ってから数年、
サンドとの生活を続けていく中で生まれた作品です。
***
このあたりに入って来ると、
習作的な色合いはなくなります。
どれも名曲揃いで、
ショパンらしい作品群に
安心して身を任せることができました。
前半に、
・2つのノクターン 作品32
・4つのマズルカ 作品33
・2つの円熟期の遺作のワルツ
後半に、
・即興曲第2番 嬰ヘ長調 作品36
・3つのワルツ 作品34《華麗なワルツ》
・ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 作品35《葬送》
を配置し、
その間にあまり聴く機会のない
・マズルカ イ短調《ノートル・タン》(1840)
・マズルカ イ短調《エミール・ガイヤールへ》(1841)
・《ヘクサメロン》より第6変奏 ホ長調(1837)
・3つの新しい練習曲(1837)
を配置する構成。
あいだの曲はあまり聴いたことがないのですが、
最後は傑作ピアノ・ソナタ第2番でガツンとまとめられ、
全体にひきしまった感じを与えていました。
横山氏のピアノは、
速めのテンポ、万全のテクニックでバリバリ弾かれていきますが、
嫌味なところや、
技術だけ空回りするところはなく、
ほどほどに情感も込められていて、
中庸な解釈で、
ショパンが書いた音楽の美しさに、
すっと入り込むことができました。
ルービンシュタインの
味わい深い老獪な演奏とは違いますが、
若々しさを感じさせる
等身大のショパン演奏のように感じました。
あと4枚、
充実の作品群が続くはずなので、
楽しんで聴いていきたいと思います。
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