アントニ・ヴィト(1944.2-)の指揮する
ポーランドのオーケストラ
ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団等の演奏で、
ドイツの作曲家
ヨハネス・ブラームス(1833.5-1897.4)の
「ドイツ・レクイエム」を聴きました。
ブラームス35歳の時(1869.2)に全曲初演された作品です。
ヴィト68歳の時(2012.8)の録音です。
ブラームス:ドイツ・レクイエム 作品45
第1曲 悲しんでいる人々は幸いである
第2曲 人は皆草のごとく
第3曲 主よ、我が終わりと、我が日の数の
第4曲 万軍の主よ、あなたの住まいは
第5曲 このように、あなた方にも今は
第6曲 この地上に永遠の都はない
第7曲 今から後、主にあって死ぬ死人は幸いである
クリスティアーネ・リボル(ソプラノ)
トーマス・E・バウアー(バリトン)
ワルシャワ・フィルハーモニー合唱団(ヘンリク・ビョナロフスキ指揮)
ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団
アントニ・ヴィト(指揮)
録音:2012年8月27-29日、ポーランド、ワルシャワ・フィルハーモニー・コンサート・ホール
【NAXOS 8.573061】
ブラームスのドイツ・レクイエムは、
演奏に70分以上かかる大曲(全7曲)ですが、
モーツァルトやヴェルディのように、
劇的な要素があるわけでもないので、
全体を見通しよく、
感動的にまとめ上げるのは難しい曲のようです。
これまで聴いてきたCDを振り返ってみると、
はじめに購入した
バレンボイム&シカゴ響のCDは、
指揮者の持って回った解釈と、
響きの軽薄さにうんざりし、
最後まで聴き通せなかったです。
次に購入した
コルボ&デンマーク放送響のCDは、
バレンボイムとはまったく違った印象で、
宗教的な祈りの感じられる心のこもった演奏だったのですが、
録音の関係か、
全体像がぼやけてしまうのが今一つでした。
それからしばらく
ドイツ・レクイエムから離れていたのですが、
数年前に〈レコ芸特選〉にひかれて
飯森範親&山形響のCDを購入しました。
こちらは全体的に穏当な解釈で、
録音のバランスも取れていて、
これといった欠点の見当たらない、
完成度の高い演奏なのですが、
不思議と心に響いてこない、
感動しない演奏でもあったので、
結局あまり印象に残りませんでした。
ブラームスなので、
指揮者の若さが出ていたのかもしれません。
***
これまで3枚買って
どれも残念な内容だったので、
ドイツ・レクイエムには縁がないのかもと思っていたのですが、
最近シューマンで感心した
ヴィトさんのCDが出ていることに気がついて、
手に入れて聴いてみたところ、
これもまた優れた出来で、
初めて感動的に全曲を聴き終えることができました。
隅々にまで心がこもっているのが、
音としてよく伝わってきて、
しみじみとした中にも若々しい感性に満ちた、
ブラームスの名曲であることがすんなり理解できました。
こういう曲なのかとわかってみると、
ほかの名演にも出会ってみたくなりました。
今目をつけているのが
ベルティーニと都響のライブCDです。
それとこういう曲には、
カラヤンも向いているのではないかと。
また聴いたら報告します。
※Wikipediaの「ヨハネス・ブラームス」「ドイツ・レクイエム」を参照。
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