2015年7月13日月曜日

山田一雄&大阪センチュリー響のベートーヴェン:交響曲第3番(1991年録音)

山田一雄(1912.10-1991.8)の指揮する
大阪センチュリー交響楽団の演奏で、

ドイツの作曲家
ベートーヴェン(1770.12-1827.3)の
交響曲第3番《英雄》を聴きました。


大阪センチュリー交響楽団は、
現在の日本センチュリー交響楽団であり、
2011年4月に名称変更されました。

1989年に設立され、
1990年3月に最初の演奏会が開かれています。

このCDは
それから1年後に開催された
第4回定期演奏会のライブ録音です。

山田一雄はこの年の8月に急逝されているので、
亡くなる5ヶ月前の記録としても貴重なものです。


ベートーヴェン
交響曲第3番変ホ長調作品55《英雄》

モーツァルト
歌劇《イドメネオ》のためのバレエ音楽 K.367
より第4曲 ガヴォット

大阪センチュリー交響楽団
山田一雄(指揮)
録音:1991年3月15日大阪、ザ・シンフォニーホール
【WWCC-7782】2015年3月発売


山田一雄氏は、
クラシック音楽を聴き始めたころに、

テレビで見かけた
情熱的で規格外の指揮姿に心を奪われて以来、

大好きな指揮者の一人です。


わかりやすい棒をふる方ではなかったので、

残されたライブ録音を聴くと、
技術的に難のあるものが多く、

たまに発売される
昔の録音を聴いてみては、

こんなはずではないと
がっかりすることの繰り返しが続いています。


さて今回の
大阪センチュリー響との《英雄》、

実はそれほど期待していなかったのですが、
店頭で視聴してみたところ、

オケの状態がかなり良く、
どこにもオケの乱れがない様子だったので、

これは成功作かもと思い、購入してみました。


家でじっくり聴いてみたところ、

かつて聴いた新星日本交響楽団や
札幌交響楽団との《英雄》と比べて、

大阪センチュリー響のほうが、
オケの規模は小さいので迫力には欠けるのですが、

極端に無理なことはさせずに、
ごくオーソドックスな《英雄》が描き出されていて、

技術的には十分納得のいくレベルで演奏されていました。


しかしそれでは、これが
山田一雄による《英雄》の決定版足りうるのか
といえば、残念ながら否と答えざるを得ません。

すべてがスッキリと見通しよくまとめられている分、

彼ならではの、
心を激しく揺さぶられる感動には欠けていて、
おとなしい印象で、

繰り返しこのCDを聴きたくなる
特色には欠けているように思うのです。


山田一雄氏のベートーヴェン、

私にとっての名盤は、
新星日本交響楽団との《運命》1枚のみで、

他はその真価を伝えていない、
とする判断に変わりはありません。

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