2015年10月12日月曜日

シュナイダーハンのシューベルト:ヴァイオリン・ソナタ集(1953-54年録音)

オーストリアのウィーン生まれのヴァイオリニスト
ヴォルフガング・シュナイダーハン(1915.5-2002.5)と、

ドイツのブレーメン生まれのピアニスト、
カール・ゼーマン(1910.5-1983.11)の演奏で、

オーストリアの作曲家
フランツ・シューベルト(1797.1-1828.11)の
ヴァイオリン・ソナタ集を聴きました。

シュナイダーハン38-39歳(1953-54年)の時の録音です


フランツ・シューベルト
ヴァイオリン・ソナタ イ長調 作品162 D574《二重奏曲》
ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ
 第1番 ニ長調 作品137-1 D384
 第2番 イ短調 作品137-2 D385
 第3番 ト短調 作品137-3 D408

ヴォルフガング・シュナイダーハン(ヴァイオリン)
カール・ゼーマン(ピアノ)
録音:1954年12月16日、ハノーファー、ベートーヴェン・ザール《二重奏曲》。1953年9月25-27日、ウィーン、コンツェルトハウス《ソナチネ》。
【POCG-90182】※1998年12月発売。

シューベルトによる
ヴァイオリンとピアノのための作品は、
これまでほとんど聴いて来なかったので、
よく知りませんでした。

調べてみると、

1-3) ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ
   ◎第1番 ニ長調 作品137-1 D384〔1816年3月〕
   ◎第2番 イ短調 作品137-2 D385〔1816年3月〕
   ◎第3番 ト短調 作品137-3 D408〔1816年4月〕※19歳

4) ヴァイオリン・ソナタ
  ◎イ長調 作品162 D574〔1817年8月〕※20歳

5) ヴァイオリンとピアノのためのロンド
  ロ短調 作品70 D895〔1826年10月〕※29歳

6) ヴァイオリンとピアノのための幻想曲
  ハ長調 作品159 D934〔1827年12月〕※30歳

の6曲作られていることがわかりました。

シュナイダーハンの
この時(1953-54年/38-39歳)の録音では、
はじめの4曲までしか収録されていません。

12年後(1965-66年/50-51歳)に再録した時には、
全6曲を収録していますが、

50年代の録音と比べると、
シュナイダーハンならではの美音にかげりみえ、
技術面でもほんの少し衰えがみえるようで、

あまり魅力的に思えませんでした。


  ***

今回の録音、
これらの曲を知らない私が聴いても、

シューベルトの曲の美しさにしみじみ浸れる演奏で、
曲の魅力が過不足なくひきだされているように感じました。

何も特別なことはせずに、
生まれながらそこにある音楽として、
よい雰囲気が醸し出されていると思いました。

贅沢をいわなければ、
十分な名演と言って良いのですが、

モーツァルトのソナタで聴いた
奇跡的なバランスの演奏と比べると、

ほんのわずかなのですが、
あと一歩、曲の内面に切り込んでくる、
ドキッとするような要素が足りないように思われました。

繰り返し聴いて、
どんな曲なのかはよくわかって来ましたので、

ここからスタートして、
ほかの演奏にも耳を通してみようと思います。


※Wikipediaの「フランツ・シューベルト」「ヴォルフガング・シュナイダーハン 」「カール・ゼーマン」を参照。
※藤田晴子著『シューベルト 生涯と作品』(音楽之友社、2002年11月)を参照。

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