ヴォルフガング・シュナイダーハン(1915.5-2002.5)と、
ドイツのブレーメン生まれのピアニスト、
カール・ゼーマン(1910.5-1983.11)の演奏で、
オーストリアの作曲家
フランツ・シューベルト(1797.1-1828.11)の
ヴァイオリン・ソナタ集を聴きました。
シュナイダーハン38-39歳(1953-54年)の時の録音です。
フランツ・シューベルト
ヴァイオリン・ソナタ イ長調 作品162 D574《二重奏曲》
ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ
第1番 ニ長調 作品137-1 D384
第2番 イ短調 作品137-2 D385
第3番 ト短調 作品137-3 D408
ヴォルフガング・シュナイダーハン(ヴァイオリン)
カール・ゼーマン(ピアノ)
録音:1954年12月16日、ハノーファー、ベートーヴェン・ザール《二重奏曲》。1953年9月25-27日、ウィーン、コンツェルトハウス《ソナチネ》。
【POCG-90182】※1998年12月発売。
シューベルトによる
ヴァイオリンとピアノのための作品は、
これまでほとんど聴いて来なかったので、
よく知りませんでした。
調べてみると、
1-3) ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ
◎第1番 ニ長調 作品137-1 D384〔1816年3月〕
◎第2番 イ短調 作品137-2 D385〔1816年3月〕
◎第3番 ト短調 作品137-3 D408〔1816年4月〕※19歳
4) ヴァイオリン・ソナタ
◎イ長調 作品162 D574〔1817年8月〕※20歳
5) ヴァイオリンとピアノのためのロンド
ロ短調 作品70 D895〔1826年10月〕※29歳
6) ヴァイオリンとピアノのための幻想曲
ハ長調 作品159 D934〔1827年12月〕※30歳
の6曲作られていることがわかりました。
シュナイダーハンの
この時(1953-54年/38-39歳)の録音では、
はじめの4曲までしか収録されていません。
12年後(1965-66年/50-51歳)に再録した時には、
全6曲を収録していますが、
50年代の録音と比べると、
シュナイダーハンならではの美音にかげりみえ、
技術面でもほんの少し衰えがみえるようで、
あまり魅力的に思えませんでした。
***
今回の録音、
これらの曲を知らない私が聴いても、
シューベルトの曲の美しさにしみじみ浸れる演奏で、
曲の魅力が過不足なくひきだされているように感じました。
何も特別なことはせずに、
生まれながらそこにある音楽として、
よい雰囲気が醸し出されていると思いました。
贅沢をいわなければ、
十分な名演と言って良いのですが、
モーツァルトのソナタで聴いた
奇跡的なバランスの演奏と比べると、
ほんのわずかなのですが、
あと一歩、曲の内面に切り込んでくる、
ドキッとするような要素が足りないように思われました。
繰り返し聴いて、
どんな曲なのかはよくわかって来ましたので、
ここからスタートして、
ほかの演奏にも耳を通してみようと思います。
※Wikipediaの「フランツ・シューベルト」「ヴォルフガング・シュナイダーハン 」「カール・ゼーマン」を参照。
※藤田晴子著『シューベルト 生涯と作品』(音楽之友社、2002年11月)を参照。
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