2015年10月19日月曜日

ヤンドーのハイドン:ピアノ・ソナタ全集 その9(1993年録音)

ハンガリーのピアニスト
イエネ・ヤンドー(1952 - )さんの
ハイドン:ピアノ・ソナタ全集

9枚目は、
ウィーン原典版(旧版)の通し番号で、
第53-56・58番のソナタ5曲を聴きました。


フランツ・ヨセフ・ハイドン(1732 - 1809)
 1) ピアノ・ソナタ 第53番 ホ短調 作品42 Hob.XVI:34
 2) ピアノ・ソナタ 第54番 ト長調 作品37-1 Hob.XVI:40
 3) ピアノ・ソナタ 第55番 変ロ長調 作品37-2 Hob.XVI:41
 4) ピアノ・ソナタ 第56番 ニ長調 作品37-3 Hob.XVI:42
 5) ピアノ・ソナタ 第58番 ハ長調 作品89 Hob.XVI:48
 6) アンダンテと変奏曲 ヘ短調 作品83 Hob.XVII:6

イエネ・ヤンドー(ピアノ)
録音:1993年3月12・13・15・16日、ブダベスト、ユニテリアン教会
【Naxos 8.550845】

ハイドンが、
42歳の時(1774)に初めて出版された
クラーヴィア・ソナタ集が
 作品13 Hob.XVI:21-26〔全6曲〕※第36-41番

46歳の時(1778)に出版された
2番目のクラーヴィア・ソナタ集が
 作品14 Hob/XVI:27-32〔全6曲〕※第42-47

48歳の時(1780)に出版された
3番目のクラーヴィア・ソナタ集が
 作品30 Hob/XVI:35-39・20〔全6曲〕※第48-52・33番

でした。

このCDに収められているのは、
その後の作品で、

52歳の時(1784)に出版された
クラーヴィア・ソナタ集
 作品37 Hob.XVI:40-42〔全3曲〕※第54-56番

と、同じ年に出版された
クラーヴィア・ソナタ
 作品42 Hob.XVI:34〔全1曲〕※第53番

の4曲をメインとして、

この5年後、
57歳の時(1789)に出版された
クラーヴィア・ソナタ
 作品89 Hob.XVI:48〔全1曲〕※58番

と、67歳の時(1799)に出版された
アンダンテと変奏曲
 作品83 Hob.XVI:6〔全1曲

の2曲が収録されています。

作品83の変奏曲は、
「ハイドンのクラヴィーアによる変奏曲の頂点に立つとともに、
 クラヴィーア独奏曲のなかでも屈指の傑作とされる作品」
だそうです(中野博司『ハイドン復活』春秋社、187頁)。


  ***

どれも初めて聴きますが、
もうこのあたりになると、

どれも充実した内容の作品で、
飽きることなく楽しみながら聴き進めることができました。

コンサートで取り上げても、
十分聴かせどころのある名曲ぞろいだと思います。

内容的に深まってきても、
ハイドンらしく押しつけがましい所はないので、

こちらの思考を妨げることなく、
仕事のBGMにちょうどよいです。

BGM用に
ほかにも色々なCDを流しますが、
場の雰囲気を、明るく晴れ晴れとしたものに変える力は、
ほかのどの作曲家よりも強いと思います。

ヤンドーさんのピアノも、
正統派で、技術的に申し分なく、
明るくきっぱりとした印象のあるところが
ハイドンにぴったりで、

このCDでも十分に楽しませてくれました。


※中野博司著『ハイドン復活』(春秋社、1995年11月)参照。

※Wikipediaの
 「フランツ・ヨーゼフ・ハイドン」
 「ハイドンのピアノソナタ一覧」
 「ハイドンのピアノ曲一覧」
 「ホーボーケン番号」の各項目を参照。

※ピティナ・ピアノ曲事典の「ハイドン」を参照。

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