ハンガリーのピアニスト
イエネ・ヤンドー(1952 - )さんの
ハイドン:ピアノ・ソナタ全集
9枚目は、
ウィーン原典版(旧版)の通し番号で、
第53-56・58番のソナタ5曲を聴きました。
フランツ・ヨセフ・ハイドン(1732 - 1809)
1) ピアノ・ソナタ 第53番 ホ短調 作品42 Hob.XVI:34
2) ピアノ・ソナタ 第54番 ト長調 作品37-1 Hob.XVI:40
3) ピアノ・ソナタ 第55番 変ロ長調 作品37-2 Hob.XVI:41
4) ピアノ・ソナタ 第56番 ニ長調 作品37-3 Hob.XVI:42
5) ピアノ・ソナタ 第58番 ハ長調 作品89 Hob.XVI:48
6) アンダンテと変奏曲 ヘ短調 作品83 Hob.XVII:6
イエネ・ヤンドー(ピアノ)
録音:1993年3月12・13・15・16日、ブダベスト、ユニテリアン教会
【Naxos 8.550845】
ハイドンが、
42歳の時(1774)に初めて出版された
クラーヴィア・ソナタ集が
作品13 Hob.XVI:21-26〔全6曲〕※第36-41番
46歳の時(1778)に出版された
2番目のクラーヴィア・ソナタ集が
作品14 Hob/XVI:27-32〔全6曲〕※第42-47
48歳の時(1780)に出版された
3番目のクラーヴィア・ソナタ集が
作品30 Hob/XVI:35-39・20〔全6曲〕※第48-52・33番
でした。
このCDに収められているのは、
その後の作品で、
52歳の時(1784)に出版された
クラーヴィア・ソナタ集
作品37 Hob.XVI:40-42〔全3曲〕※第54-56番
と、同じ年に出版された
クラーヴィア・ソナタ
作品42 Hob.XVI:34〔全1曲〕※第53番
の4曲をメインとして、
この5年後、
57歳の時(1789)に出版された
クラーヴィア・ソナタ
作品89 Hob.XVI:48〔全1曲〕※58番
と、67歳の時(1799)に出版された
アンダンテと変奏曲
作品83 Hob.XVI:6〔全1曲〕
の2曲が収録されています。
作品83の変奏曲は、
「ハイドンのクラヴィーアによる変奏曲の頂点に立つとともに、
クラヴィーア独奏曲のなかでも屈指の傑作とされる作品」
だそうです(中野博司『ハイドン復活』春秋社、187頁)。
***
どれも初めて聴きますが、
もうこのあたりになると、
どれも充実した内容の作品で、
飽きることなく楽しみながら聴き進めることができました。
コンサートで取り上げても、
十分聴かせどころのある名曲ぞろいだと思います。
内容的に深まってきても、
ハイドンらしく押しつけがましい所はないので、
こちらの思考を妨げることなく、
仕事のBGMにちょうどよいです。
BGM用に
ほかにも色々なCDを流しますが、
場の雰囲気を、明るく晴れ晴れとしたものに変える力は、
ほかのどの作曲家よりも強いと思います。
ヤンドーさんのピアノも、
正統派で、技術的に申し分なく、
明るくきっぱりとした印象のあるところが
ハイドンにぴったりで、
このCDでも十分に楽しませてくれました。
※中野博司著『ハイドン復活』(春秋社、1995年11月)参照。
※Wikipediaの
「フランツ・ヨーゼフ・ハイドン」
「ハイドンのピアノソナタ一覧」
「ハイドンのピアノ曲一覧」
「ホーボーケン番号」の各項目を参照。
※ピティナ・ピアノ曲事典の「ハイドン」を参照。
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