小澤征爾(1935.9- )氏の指揮する
ボストン交響楽団の演奏で、
オーストリア帝国出身の作曲家
グスタフ・マーラー(Gustav Mahler 1860.7-1911.5)
の交響曲第8番《千人の交響曲》を聴きました。
小澤氏45歳の時(1980)の録音です。
マーラー
交響曲第8番変ホ長調《千人の交響曲》
第1部 来たれ、創造主なる聖霊よ
第2部 ゲーテの「ファウスト」第2部からの終幕の場
フェイ・ロビンソン(ソプラノ1)
ジュディス・ブレゲン(ソプラノ2)
デボラ・サッソン(ソプラノ3)
フローレンス・クイヴァー(アルト1)
ローナ・マイヤース(アルト2)
ケネス・リーゲル(テノール)
ベンジャミン・ラクソン(バリトン)
グウィン・ハウエル(バス)
タングルウッド祝祭合唱団(合唱指揮:ジョン・オリバー)
ボストン少年合唱団(合唱指揮:セオドア・マリアー)
ジョゼフ・シルヴァースタイン(ヴァイオリン・ソロ)
ジェイムズ・クリスティー(オルガン)
ボストン交響楽団
小澤征爾(指揮)
録音:1980年10月13日-11月4日、ボストン・シンフォニー・ホール
【UCCP-7060】2005年6月発売
交響曲第8番は
マーラー46歳の時(1906年夏)に作曲され、
50歳の時(1910年9月)に初演されました。
マーラーはこの8か月後、
51歳になる2か月前(1911年5月)に亡くなったため、
48歳の時(1908年夏)に作曲された交響曲《大地の歌》、
49歳の時(1909年夏)に作曲された交響曲第9番は、
生前に初演されることがありませんでした。
第8番は、
マーラー生前に初演された
最後の交響曲ということになります。
***
巨大過ぎる作品で、
全体像を捉えにくいこともあって、
マーラーの交響曲のなかでも、
まだそれほど聴き込んでいない1曲です。
CDで最初に買った
バーンスタイン&ウィーン・フィル
の録音は、
何かおどろおどろしいものが蠢いている印象で、
よくわからないまま終わりました。
その後、
朝比奈隆&大阪フィル(1972)
山田一雄&東京都響(1979)
小林研一郎&日本フィル(1998)
と聴いてきて、
コバケン盤はけっこう気に入っていたのですが、
コバケン盤を聴き終えたころに、
ふと手にした小澤征爾のCDを聴き、
合唱と独唱の響き方のあまりの違いに愕然としました。
小澤氏のCDは、
響きのとても美しい、
すっきりとした見通しのよい演奏なのですが、
若々しいエネルギーも存分に漲っていて、
《千人》のもつ音楽の力に圧倒されました。
第1部だけでなく、
全体の見通しが良いのも特徴的で、
初めて最後まで集中を切らさず聴き終えることができました。
まだまだ聴き逃している名演は多いと思いますが、
誇張なく《千人》の魅力を引き出した演奏として、
第一にお薦めしたい1枚です。
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