ロシア出身の指揮者
ルドルフ・バルシャイ
(1924年9月28日-2010年11月2日)が
68歳から76歳にかけて(1992年9月-2000年9月)、
ドイツのオーケストラ
ケルン放送交響楽団と録音した
ロシア帝国生まれの作曲家
ドミートリイ・ショスタコーヴィチ(1906年9月25日-75年8月9日)
の交響曲全集、6枚目を聴きました。
CD6
ドミートリイ・ショスタコーヴィチ
①交響曲第9番 変ホ長調 作品70
②交響曲第10番 ホ短調 作品93
ルドルフ・バルシャイ(指揮)
ケルン放送交響楽団
録音:1995年7月12・14日、95年9月14日、96年4月26日(以上①)、1996年10月15・24日(②)、ケルン、フィルハーモニー
【BRILIANT 6324/6】
交響曲第9番は、第2次世界対戦後間もなく、
ショスタコーヴィチ39歳の時(1945年11月3日)に初演されました。
ベートーヴェンの第9番のような
大曲への期待とは相反する作品であったため、
スターリンを揶揄する作品と受け止められ、批判を受けました。
1948年2月には、
ソ連共産党中央委員会書記アンドレイ・ジダーノフによって
前衛的な芸術作品に対する批判が行われたこともあり(ジダーノフ批判)、
次の交響曲の作曲は、
1953年3月にスターリンが亡くなるまで持ち越されました。
交響曲第10番は、第9番から8年をへた
作曲者47歳の時(1953年12月17日)に初演されました。
***
ショスタコーヴィチの交響曲は、
マーラー以上に一曲一曲が深刻で重厚なものばかりなので、
続けて何曲も聴き通すのは辛いものがあります。
第8番以来しばらく聴くのを止めていましたが、
また第9番から順に聴いていきます。
しばらく時間を置いて、改めて聴いてみると、
第9番もいい曲ですね。
ベートーヴェンの第8番のような、
言いたいことを短く凝縮して詰め込んである、
中身のぎっしり詰まった作品であることを実感できました。
第9は小規模だからか、
小じんまりと軽めにまとめた演奏に出会うことも多いのですが、
ひたひたと曲の内実に迫るバルシャイの指揮で、
初めて第9の真価がわかった気がしました。
第10番は、ショスタコーヴィチが
自分の内面を深くえぐり抜いた感じの、
巨大な何かがうごめいている風の作品で、
正直まだ、
全体像がわかるところまで辿り着いていないのですが、
今回の録音で、かなり曲の真価に近づくことができました。
十分な熱演だと思うのですが、
個人的に、少し重々しすぎる印象で、
繰り返し聴くには向かないように感じました。
ひと月ほど聴き込みましたので、
いったん次の番号に進みたいと思います。
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