ドイツ出身の指揮者
ブルーノ・ワルター
(Bruno Walter, 1876年9月-1962年2月)の指揮する
アメリカのオーケストラ
ニューヨーク・フィルの演奏で、
オーストリア帝国ボヘミア出身の作曲家
グスタフ・マーラー
(Gustav Mahler, 1860年7月-1911年5月)の
交響曲第5番と、歌曲集《若き日の歌》を聴きました。
歌曲集は、
オーストリアのソプラノ歌手
デシ・ハルバン(Desi Halban, 1912年4月-96年2月)の独唱で、
ワルターがピアノで伴奏しています。
ワルターが70-71歳の時(1947年)の録音です。
グスタフ・マーラー(1860-1911)
①歌曲集《若き日の歌》
デシ・ハルバン(ソプラノ)
ブルーノ・ワルター(ピアノ)
録音:1947年12月16日、ロサンジェルス
②交響曲第5番 嬰ハ短調
ニューヨーク・フィルハーモニック交響楽団
ブルーノ・ワルター(指揮)
録音:1947年2月10日、カーネギーホール、ニューヨーク
【Naxos 8.110896】
①歌曲集《若き日の歌》は、
マーラーが32歳の時(1892年)に出版されました。
このCDでは全14曲の中から、
第2曲「思い出」ト短調
第12曲「別離と忌避」ヘ長調
第13曲「もう会えない」ハ短調
第7曲「緑の森を楽しく歩いた」ニ長調
第11曲「夏に小鳥はかわり」変ロ短調
第3曲「ハンスとグレーテ」ニ長調
第1曲「春の朝」ヘ長調
第9曲「たくましい想像力」変ロ長調
の8曲がこの順番で演奏されています。
②交響曲第5番嬰ハ短調は、
マーラー44歳の時(1904年10月)に初演されました。
***
①の《若き日の歌》は今回初めて聴きました。
肩の力を抜いて、
普段着の一コマを切り出したような、
素朴な印象の歌唱。
そんなに上手い歌ではなく、
いい音で録れているわけでもないので、
ワルターの伴奏が聴ける!
という歴史的な価値から考えるべき録音のように感じました。
②の交響曲第5番は、
速めのテンポで一気に駆け抜ける
共感度の高い演奏で、予想外の熱演に驚きました。
演奏だけをみれば、
1938年録音のマラ9
1953年録音の《大地の歌》
に匹敵する感動的な演奏が繰り広げられていると思いますが、
NAXOSのこの盤で聴くと、
生々しくはあるのですが、
オケの音が耳にうるさく響いて、
感動以前に聴き通すのがつらい演奏になっていました。
もう少し聴きやすい復刻盤が見つかれば、
少なくともバーンスタイン&ニューヨーク・フィルの録音よりは、
はるかに優れた演奏だと思うので、
音の良い復刻盤を求めて、
気長に探してみたいと思います。
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