ドイツの指揮者
ヴォルフガング・サヴァリッシュ
(Wolfgang Sawallisch, 1923年8月- 2013年2月)の指揮する
ウィーン交響楽団の演奏で、
ドイツの作曲家
ヨハネス・ブラームス
(Johannes Brahms, 1833年5月 - 1897年4月)の
交響曲第2・4番を聴きました。
指揮者35歳(1959年1月)、39歳(63年2月)の時の録音です。
サヴァリッシュの芸術
(PHILIPSレコーディングズ)CD4
ブラームス
①交響曲第2番ニ長調 Op.73
②交響曲第4番ホ短調 Op.98
ウィーン交響楽団
ヴォルフガング・サヴァリッシュ(指揮)
録音:1959年1月 (①), 1963年2月 (②), Austria
【DECCA 0289 480 7707 6】※2013年5月発売
①交響曲第2番ニ長調 Op.73 は、
第1番初演の翌年、
ブラームス44歳の夏に作曲され(1877年)、
その年の12月に初演されました。
その後の大曲の初演年月
1879年 1月 ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77
1881年11月 ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 作品83
1883年12月 交響曲第3番 ヘ長調 作品90
②交響曲第4番ホ短調 Op.98 は、
ブラームス52歳の時(1885年10月)に初演されました。
***
第1・3番を聴いた時と同じ、
好調さを維持した名演でした。
ほんの少し速めのテンポで、
ぐいぐい引っ張っていく勢いのある演奏。
速めではありますが、
ブラームスらしい重心の低い
渋めの音色は保たれているので、
曲全体の構成を見失うことなく、
感動しながら最後まで聴き進めることができました。
聴く前は、
若さが出るのではと心配していた第4番も、
しみじみとした第2楽章の歌わせ方が絶品で、
石丸寛&九州交響楽団
を聴いて以来の感動を味わいました。
でもより優れていたのは第2番で、
これまで聴いてきた誰よりも、
たっぷり朗々とオケを鳴らし切っていて、
それでいて押し付けがましくなく、
全曲が自然につながりあっている所が素晴らしく、
第2番って、こんなに良い曲だったんだなと、
感動を新たにしました。
***
この全集、
ブラームスの若々しい魅力に溢れた
新鮮な印象の名演ぞろいなので、
どなたにもぜひお薦めしたいCDです。
難点があるとすれば、
ウィーン交響楽団のオケの響きが、
ウィーン・フィルやベルリン・フィルのような、
個々に鳴りっぷりの良い、
聴いて直ちに心を奪われるような、
ゴージャスな音ではないことでしょうか。
少しくぐもった感じの渋い音色で、
オケ全体としてブラームスにふさわしい
味のある響きを作り出しているので、
聴き込むほどに
納得できるいい音が鳴っているのですが、
最初は少し地味な印象を受けるかもしれません。
2017年9月25日月曜日
2017年9月18日月曜日
サヴァリッシュ&ウィーン響のブラームス:ドイツ・レクイエム(1962年録音)
ドイツの指揮者
ヴォルフガング・サヴァリッシュ
(Wolfgang Sawallisch, 1923年8月- 2013年2月)の指揮する
ウィーン交響楽団の演奏で、
ドイツの作曲家
ヨハネス・ブラームス
(Johannes Brahms, 1833年5月 - 1897年4月)の
ドイツ・レクイエムを聴きました。
指揮者38歳の時(1962年2月)の録音です。
サヴァリッシュの芸術
(PHILIPSレコーディングズ)CD1
ブラームス:ドイツ・レクイエム Op.45
ウィーン交響楽団
ヴィルマ・リップ(ソプラノ)
フランツ・クラス(バリトン)
ウィーン楽友協会合唱団
ヴォルフガング・サヴァリッシュ(指揮)
録音:1962年2月, Vienna
【DECCA 0289 480 7707 6】※2013年5月発売
ドイツ・レクイエム Op.45 は、
ブラームス35歳の時(1869年2月)に全曲初演された作品です。
***
ドイツ・レクイエムは好きな曲ですが、
期待が大きすぎるのか、
CDで納得できる演奏には
なかなか出会えません。
今回のサヴァリッシュさんの演奏、
それほど期待していなかったのですが、
これまで聴いてきたどの演奏よりも、
ほんの少し速めのテンポで、
楽章ごとの構成をはっきり描き分けながら、
全体を見通しよくまとめ上げていて、
初めて、この大曲の真価をわかった気がしました。
見通しの良さに加えて、
楽譜の枠内で、目一杯燃焼していくスタイルで、
若きブラームスの情熱を感じさせる、
勢いのある演奏でした。
初めて聴く方にもお薦めしたい1枚です。
調べてみると、
サヴァリッシュさんは59歳の時(1983年3月)に、
この曲を再録音しているので、
いずれそちらの方も聴いてみたいと思います。
ヴォルフガング・サヴァリッシュ
(Wolfgang Sawallisch, 1923年8月- 2013年2月)の指揮する
ウィーン交響楽団の演奏で、
ドイツの作曲家
ヨハネス・ブラームス
(Johannes Brahms, 1833年5月 - 1897年4月)の
ドイツ・レクイエムを聴きました。
指揮者38歳の時(1962年2月)の録音です。
サヴァリッシュの芸術
(PHILIPSレコーディングズ)CD1
ブラームス:ドイツ・レクイエム Op.45
ウィーン交響楽団
ヴィルマ・リップ(ソプラノ)
フランツ・クラス(バリトン)
ウィーン楽友協会合唱団
ヴォルフガング・サヴァリッシュ(指揮)
録音:1962年2月, Vienna
【DECCA 0289 480 7707 6】※2013年5月発売
ドイツ・レクイエム Op.45 は、
ブラームス35歳の時(1869年2月)に全曲初演された作品です。
***
ドイツ・レクイエムは好きな曲ですが、
期待が大きすぎるのか、
CDで納得できる演奏には
なかなか出会えません。
今回のサヴァリッシュさんの演奏、
それほど期待していなかったのですが、
これまで聴いてきたどの演奏よりも、
ほんの少し速めのテンポで、
楽章ごとの構成をはっきり描き分けながら、
全体を見通しよくまとめ上げていて、
初めて、この大曲の真価をわかった気がしました。
見通しの良さに加えて、
楽譜の枠内で、目一杯燃焼していくスタイルで、
若きブラームスの情熱を感じさせる、
勢いのある演奏でした。
初めて聴く方にもお薦めしたい1枚です。
調べてみると、
サヴァリッシュさんは59歳の時(1983年3月)に、
この曲を再録音しているので、
いずれそちらの方も聴いてみたいと思います。
2017年9月11日月曜日
サヴァリッシュ&ウィーン響のブラームス:交響曲第1・3番(1961・62年録音)
ドイツの指揮者
ヴォルフガング・サヴァリッシュ
(Wolfgang Sawallisch, 1923年8月- 2013年2月)の指揮する
ウィーン交響楽団の演奏で、
ドイツの作曲家
ヨハネス・ブラームス
(Johannes Brahms, 1833年5月 - 1897年4月)の
交響曲第1・3番を聴きました。
指揮者37歳(1961年1月)、39歳(62年12月)の時の録音です。
サヴァリッシュの芸術
(PHILIPSレコーディングズ)CD3
ブラームス
①交響曲第1番ハ長調 Op.68
②交響曲第3番ヘ長調 Op.90
ウィーン交響楽団
ヴォルフガング・サヴァリッシュ(指揮)
録音:1962年12月 (①), 1961年1月 (②), Austria
【DECCA 0289 480 7707 6】※2013年5月発売
①交響曲第1番ハ長調 Op.68 は
ブラームス43歳の時(1976年11月)に、
②交響曲第3番ヘ長調 Op.90 は
50歳の時(1883年12)に初演されました。
***
サヴァリッシュさんの真価に気がついたのは、
シュターツカペレ・ドレスデンと録音した
シューマンの交響曲全集を聴いてからです。
※指揮者49歳の時(1972年9月)の録音。
他にもこのレベルの録音があるのなら
聴いてみたいと思っていたところ、
若いころのPHILLIPSへの
録音集(CD14枚組の選集)が、
格安(1,500円程)で手に入りましたので、
面白そうなものから聴いていこうと思います。
はじめはサヴァリッシュが
35歳から39歳(1959年1月-1963年2月)まで、
4年かけて録音したブラームスの交響曲全集と、
ドイツ・レクイエム、管弦楽曲集を集めた4枚からの1枚です。
***
第1番、第3番ともに、
ほんの少し速めのテンポと、
メリハリのクッキリとした堅めの音色で、
全体の見通しよく、ぐいぐい前に進んでいく演奏で、
予想以上の好演でした。
若々しい勢いがあるからといって、
変な軽さを感じるわけではなく、
ブラームスらしい重心の低い響きに満ちた、
完成度の演奏だと思いました。
テンポもせかせかしているわけではなく、
全体像を把握しやすい一番穏当なテンポを選んでいるようで、
こんな曲だったのかと、
今更ながらの新鮮な感動を味わえました。
サヴァリッシュ&ウィーン響のブラ1&ブラ3は、
重々しすぎてブラームスは苦手だと思う人にもお薦めしたい
若々しい魅力のある1枚だと思います。
音質は、最近の録音とは違った
少し古びた感じの独特な響きがします。
ブラームスにはもってこいともいえますが、
のちのシューマンと比べるなら、
一つ下に置かざるをえない音質だと思います。
ヴォルフガング・サヴァリッシュ
(Wolfgang Sawallisch, 1923年8月- 2013年2月)の指揮する
ウィーン交響楽団の演奏で、
ドイツの作曲家
ヨハネス・ブラームス
(Johannes Brahms, 1833年5月 - 1897年4月)の
交響曲第1・3番を聴きました。
指揮者37歳(1961年1月)、39歳(62年12月)の時の録音です。
サヴァリッシュの芸術
(PHILIPSレコーディングズ)CD3
ブラームス
①交響曲第1番ハ長調 Op.68
②交響曲第3番ヘ長調 Op.90
ウィーン交響楽団
ヴォルフガング・サヴァリッシュ(指揮)
録音:1962年12月 (①), 1961年1月 (②), Austria
【DECCA 0289 480 7707 6】※2013年5月発売
①交響曲第1番ハ長調 Op.68 は
ブラームス43歳の時(1976年11月)に、
②交響曲第3番ヘ長調 Op.90 は
50歳の時(1883年12)に初演されました。
***
サヴァリッシュさんの真価に気がついたのは、
シュターツカペレ・ドレスデンと録音した
シューマンの交響曲全集を聴いてからです。
※指揮者49歳の時(1972年9月)の録音。
他にもこのレベルの録音があるのなら
聴いてみたいと思っていたところ、
若いころのPHILLIPSへの
録音集(CD14枚組の選集)が、
格安(1,500円程)で手に入りましたので、
面白そうなものから聴いていこうと思います。
はじめはサヴァリッシュが
35歳から39歳(1959年1月-1963年2月)まで、
4年かけて録音したブラームスの交響曲全集と、
ドイツ・レクイエム、管弦楽曲集を集めた4枚からの1枚です。
***
第1番、第3番ともに、
ほんの少し速めのテンポと、
メリハリのクッキリとした堅めの音色で、
全体の見通しよく、ぐいぐい前に進んでいく演奏で、
予想以上の好演でした。
若々しい勢いがあるからといって、
変な軽さを感じるわけではなく、
ブラームスらしい重心の低い響きに満ちた、
完成度の演奏だと思いました。
テンポもせかせかしているわけではなく、
全体像を把握しやすい一番穏当なテンポを選んでいるようで、
こんな曲だったのかと、
今更ながらの新鮮な感動を味わえました。
サヴァリッシュ&ウィーン響のブラ1&ブラ3は、
重々しすぎてブラームスは苦手だと思う人にもお薦めしたい
若々しい魅力のある1枚だと思います。
音質は、最近の録音とは違った
少し古びた感じの独特な響きがします。
ブラームスにはもってこいともいえますが、
のちのシューマンと比べるなら、
一つ下に置かざるをえない音質だと思います。
2017年9月4日月曜日
インバル&フランクフルト放送響のマーラー:交響曲第8番《千人の交響曲》(1986年録音)
イスラエルの指揮者
エリアフ・インバル(Eliahu Inbal, 1936年2月- )の指揮する
ドイツのオーケストラ
フランクフルト放送交響楽団
(2005年にhr交響楽団に改称)の演奏で、
オーストリア帝国の作曲家
グスタフ・マーラー(1860.7-1911.5)の
交響曲第8番《千人の交響曲》を聴きました。
指揮者50歳の時(1986年10月)の録音です。
グスタフ・マーラー
交響曲第8番《千人の交響曲》
フェイ・ロビンソン(ソプラノ)
テレサ・ケイヒル(ソプラノ)
ヒルデガルト・ハイヒェレ(ソプラノ)
リヴィア・ブダイ(アルト)
ジェーン・ヘンシェル(アルト)
ケネス・リージェル(テノール)
ヘルマン・プライ(バリトン)
ハラルト・シュタム(バス)
バイエルン放送合唱団
北ドイツ放送合唱団
シュトゥットガルト・ズュートフンク合唱団
西ドイツ放送合唱団
RIAS室内合唱団
ハンブルク大聖堂児童聖歌隊
ヘッセン放送児童合唱団
フリッツ・ヴァルター=リントクヴィスト(オルガン)
フランクフルト放送交響楽団
エリアフ・インバル指揮
録音:1985年4月18・19日、フランクフルト、アルテ・オーバー
【COCO-73278/9】2012年6月発売。
交響曲第8番は、1906年から7年にかけて作曲され、
マーラー50歳の時(1910年9月12日)に初演されました。
第7番の初演は1908年9月、
《大地の歌》の初演は1911年11月、
第9番の初演は1912年6月のことでした。
マーラーは1911年5月、
50歳の時に亡くなっているので、
マーラーが生前に初演された交響曲は、
この第8番までということになります。
***
音の良さに驚いた[Blu-spec CD]によるインバルのマーラー、
続いて第8番を聴いてみました。
まず音響面で万全の出来で、
ホールで聴くのに近い自然な響きのなかに、
細かいところまで良く聴こえてくる録音で、
至福の一時を送ることができました。
変な自己主張はないものの、
十分に曲の良さを伝えてくれる穏当な解釈で、
マラ8のありのままの姿を
感動的に伝えてくれていると思いました。
とくに薄くなりがちな、
叙情的な箇所での表現に優れていて、
次の《大地の歌》を思わせる響きが随所に出てきて、
マーラーならではの美しさにひたることができました。
いろいろと聴いてきて、
耳が馴染んできた結果かもしれませんが、
今までで一番この曲の真価についてわかったように思いました。
一聴して心をわしづかみにするような
圧倒的な名演とまではいえないかもしれませんが、
十分に美しく感動的な、
マラ8のスタンダードな名演といえると思います。
お薦めです。
エリアフ・インバル(Eliahu Inbal, 1936年2月- )の指揮する
ドイツのオーケストラ
フランクフルト放送交響楽団
(2005年にhr交響楽団に改称)の演奏で、
オーストリア帝国の作曲家
グスタフ・マーラー(1860.7-1911.5)の
交響曲第8番《千人の交響曲》を聴きました。
指揮者50歳の時(1986年10月)の録音です。
グスタフ・マーラー
交響曲第8番《千人の交響曲》
フェイ・ロビンソン(ソプラノ)
テレサ・ケイヒル(ソプラノ)
ヒルデガルト・ハイヒェレ(ソプラノ)
リヴィア・ブダイ(アルト)
ジェーン・ヘンシェル(アルト)
ケネス・リージェル(テノール)
ヘルマン・プライ(バリトン)
ハラルト・シュタム(バス)
バイエルン放送合唱団
北ドイツ放送合唱団
シュトゥットガルト・ズュートフンク合唱団
西ドイツ放送合唱団
RIAS室内合唱団
ハンブルク大聖堂児童聖歌隊
ヘッセン放送児童合唱団
フリッツ・ヴァルター=リントクヴィスト(オルガン)
フランクフルト放送交響楽団
エリアフ・インバル指揮
録音:1985年4月18・19日、フランクフルト、アルテ・オーバー
【COCO-73278/9】2012年6月発売。
交響曲第8番は、1906年から7年にかけて作曲され、
マーラー50歳の時(1910年9月12日)に初演されました。
第7番の初演は1908年9月、
《大地の歌》の初演は1911年11月、
第9番の初演は1912年6月のことでした。
マーラーは1911年5月、
50歳の時に亡くなっているので、
マーラーが生前に初演された交響曲は、
この第8番までということになります。
***
音の良さに驚いた[Blu-spec CD]によるインバルのマーラー、
続いて第8番を聴いてみました。
まず音響面で万全の出来で、
ホールで聴くのに近い自然な響きのなかに、
細かいところまで良く聴こえてくる録音で、
至福の一時を送ることができました。
変な自己主張はないものの、
十分に曲の良さを伝えてくれる穏当な解釈で、
マラ8のありのままの姿を
感動的に伝えてくれていると思いました。
とくに薄くなりがちな、
叙情的な箇所での表現に優れていて、
次の《大地の歌》を思わせる響きが随所に出てきて、
マーラーならではの美しさにひたることができました。
いろいろと聴いてきて、
耳が馴染んできた結果かもしれませんが、
今までで一番この曲の真価についてわかったように思いました。
一聴して心をわしづかみにするような
圧倒的な名演とまではいえないかもしれませんが、
十分に美しく感動的な、
マラ8のスタンダードな名演といえると思います。
お薦めです。
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