朝比奈隆(1908年7月9日-2001年12月)氏が亡くなる前の年に、
大阪フィルハーモニー交響楽団とともに収録された
ドイツの作曲家
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
(Ludwig van Beethoven, 1770年12月-1827年3月)
の交響曲全集から、第3番を聴きました。
朝比奈隆91・92歳の時(2000年7月8・23日)の録音です。
ベートーヴェン
Disc1
①交響曲第3番変ホ長調作品55《英雄》
~2000年7月8日 大阪、ザ・シンフォニーホール
Disc2
②交響曲第3番変ホ長調作品55《英雄》
~2000年7月23日 東京、サントリーホール
【OVCL-00026】※2000年10月発売
交響曲第3番は、
ベートーヴェン34歳の時(1805年4月)に初演されました。
こちらは
第1番と同様にゆったりとしたテンポで、
特に第2楽章は、
間がもたなくなるくらい
ぎりぎりまでテンポを落として、全体として
スケールの大きな《英雄》が描かれています。
何気なく聴いていると、
遅めのテンポにじれったくなることもあるので、
万人向けの演奏とはいえないかもしれませんが、
はじめから朝比奈の
巨大なエロイカを聴くつもりでいれば、
大きな感動を得られる演奏だと思います。
2日間の演奏はどちらも同じスタイルですが、
わたしには、
②は木管がうしろに引っ込んでいるように聴こえ、
痒いところに手が届かない、もどかしい感じが残りました。
(特に第2楽章のオーボエ!)
もとより弦を分厚く鳴らすスタイルなので、
①でも木管が、それほどクッキリ前に出てくるわけではありませんが、
②と比べれば、細部までちゃんと聴こえてきました。
エクストンで
2008年12月に発売された全集のセット盤では、
①ではなく7月23日(②)の演奏をベースにしているのですが、
私には①のほうが良い音質のように感じられました。
あるいは実演における聴衆の反応は、
②のほうが良かったのかもしれません。
全集のセット盤で第3番(②)を聴いて、
今一つの感想をもたれた方には、少し印象の異なる
7月8日録音(①)もあることをお伝えしておきます。
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