2019年1月6日日曜日

インバル&フランクフルト放送響のブルックナー:交響曲第00番(1992年録音)

インバル&フランクフルト放送響のブルックナー、
ヨッフム&ドレスデン・シュターツカペレの全集には含まれていない
第00番第0番も収録されているので、聴いてみることにしました。
ほぼ初めて聴く作品です。

  ***

イスラエルの指揮者
エリアフ・インバル(Eliahu Inbal, 1936年2月- )
の指揮する

ドイツのオーケストラ
フランクフルト放送交響楽団
(2005年にhr交響楽団に改称)の演奏で、

オーストリア帝国の作曲家
アントン・ブルックナー
(Anton Bruckner, 1824年9月4日-1896年10月11日)の
交響曲第00番 ヘ短調 を聴きました。

指揮者56歳の時(1992年5月)の録音です


CD1
アントン・ブルックナー
交響曲第00番 ヘ短調 WAB99 [ノヴァーク版]

フランクフルト放送交響楽団
エリアフ・インバル(指揮)
録音:1992年5月。フランクフルト、アルテ・オーパー
【TELDEC 11CD 2564 68022-8】※2014年4月発売


交響曲ヘ短調はブルックナーが38歳の時、
1863年1月から5月にかけて作曲されました

交響曲第1番が完成するのは、
41歳の時(1866年4月)のことなので、
第1番が完成する3年ほど前に作られた作品ということになります。


生前に演奏される機会はなく、
没後28年をへた1925年2月に全曲初演されました。

楽譜は没後17年をへた1913年に、
オーストリアのウニヴェルザール社(ユニバーサル)から出版されました。

ハース版(旧全集)に同曲は収録されず、
1973年にノヴァーク版(新全集)の総譜が出版されました。

もともと習作として作られた作品なので、
のちの多くの交響曲のように、
複数の稿の問題はありません。

※ 根岸一美著『作曲家◎人と作品シリーズ ブルックナー』(音楽之友社、2006年6月)と、Wikipedia の「交響曲ヘ短調(ブルックナー)」の項目を参照。


  ***

第00番と第0番は番号だけを見ると、
2曲とも第1番より前に作られたように感じますが、

実際には第0番は、
第1番よりあと第2番より前に作られた
「第1.5番」とも呼ぶべき作品なので、

第1番より前に書かれた交響曲はこの第00番のみで、
ふつうは習作と判断されています。

今回初めて聴いてみると、
確かに、これはブルックナーです、
とはじめに教えてもらわなければ、
聴いてすぐには気がつきにくい、
習作的な作品だと納得できました。

聴くに堪えないわけではなく、
ブルックナーの習作であるとわかった上で聴くのなら、
それなりに興味深く聴けると思いますが、
コンサートの最後がこの曲なら、
少し残念な気持ちになるかもしれません。

個人的には、
シューマンの未知の作品を聴いているようでもあり、
まずまず楽しむことができました。

インバルの録音は、楽譜の内容を正確に、
ほどほどに面白く聴かせてくれていると思います。

解釈によっては、
より面白く聴かせられるのかもしれませんが、
曲の紹介としては十分に役割を果たしていると思います。



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