2018年12月2日日曜日

ブレンデルのシューベルト:ピアノ作品集その6(1971-74年録音)

チェコスロバキア共和国(現・チェコ共和国)
モラヴィア地方生まれのピアニスト、
アルフレード・ブレンデル
(Alfred Brendel, 1931年1月- )が、
40代前半の時(1971-74年)に録音した

オーストリアの作曲家
フランツ・シューベルト
(Franz Schubert, 1797年1月 - 1828年11月)の
ピアノ作品集の6枚目を聴きました。


シューベルト:ピアノ作品集
CD6
①4つの即興曲 作品90 D899(1972年録音)
②4つの即興曲 作品142 D935(1975年録音)
③16のドイツ舞曲と2つのエコセーズ 作品33 D783(1974年録音)

アルフレート・ブレンデル(ピアノ)
【Eloquence 480 1218】※2008年発売

ブレンデルが40代前半のときに録音した
シューベルト:ピアノ作品集、
残るは2枚のみとなりました。

ソナタはすべて聴いて、
あとは2つの即興曲集と「楽興の時」、
そして「さすらい人幻想曲」が残っています。


CD6枚目には、
2つの即興曲集が収録されています。

 ①4つの即興曲 作品90 D899
 ②4つの即興曲 作品142 D935

は、シューベルトが30歳(1827年)の頃に作曲されました

亡くなる年(1828)に、
最後の3つのピアノソナタが書かれますが、
その前年に生み出された傑作です。

 ピアノ・ソナタ第19番 ハ短調 D958
 ピアノ・ソナタ第20番 イ長調 D959
 ピアノ・ソナタ第21番 変ロ長調 D960


有名な曲集ですが、子供の頃に、
私の母が運営するピアノ教室で、
度々聴き馴染んでいたからか、
凡庸な練習曲の一つというイメージがついてしまって、
霊感あふれる傑作だと確信できたのは最近のことです。

今回、ブレンデルのくせのない美しいタッチのピアノで、
シューベルト独特のメロディと和声が心に入って来て、
しみじみ良い曲であることを実感できました。

聴き返すたびに染みてくる分、
一回聴くだけだとほんの少し、
個性が弱いようにも感じるので、
より有名な再録音のほうも聴いてみたいなと思いました。


このCDには、もう一曲、
③16のドイツ舞曲と2つのエコセーズ 作品33 D783
が収録されています。
シューベルトが26-27歳の頃(1823-24)に作曲された作品です。

数回繰り返して聴いた印象では、
さほど特徴のないスケッチを寄せ集めただけの、
①②と同列には扱えない作品でした。

①②の印象がぼやけてしまう分、
収録しなかったほうが良かったのでは、
と思いました。



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