大阪フィルハーモニー交響楽団で、
ブルックナーの交響曲第5番変ロ長調(原典版)を
3種類聴きました。
ブル5は魅力に気がつくまでに
少し時間がかかりましたが、今は大好きな曲の一つです。
朝比奈氏はブル5を得意にしており、
他にも聴いていない録音がありますが、
とりあえず聴いたところまでの報告です。
時間[21:47/16:18/14:27/26:06]
録音:1973年7月24日、東京文化会館
【TFMC-0005】
時間[22:50/18:51/13:57/24:59]
録音:1994年6月27日、大阪、フェスティバルホール
【PCCL-00473】
時間[23:03/18:12/14:32/25:36]最後30秒ほど拍手
録音:2001年4月21日、大阪、ザ・シンフォニーホール
【OVCL-00314】
まずは1枚目(1973年録音)。
私がブル5の魅力に開眼したのは、
この1973年の録音です(2003年発売)。
朝比奈氏65歳のときの演奏で、
一気呵成に先へ先へとかけぬけていくオケの推進力が凄まじく、
手に汗握る大演奏です。
大阪フィルも健闘しており、
録音もオケの荒々しさを残しつつ、
ブルックナーの魅力を損なわない透明感のある音質で、
よく録れていると思います。
熱いブル5が聴いてみたい方にはお薦めの演奏です。
次は2枚目(1994年録音)。
1994年の録音は、私が初めて買った
朝比奈隆&大阪フィルのブル5でした。
しかし私自身が、曲に不慣れであったこともありますが、
何よりオケの荒々しさを丸出しにした録音が耳障りで、
集中して聴き通すことはできませんでした。
ただし最近このCDを
どこかに無くしてしまったのに気がついて、
朝比奈氏の没後に再販されたものを買い直して聴いてみたところ、
かなり聴きやすく調整されてあって、
ふつうに聴き通すことができました。
これならば、
買って残念なことにはならない、
ブル5のオーソドックスな名演奏と思います。
ただし1973年録音ほどの熱さはなく、
2001年録音ほどの高音質でもないことから言えば、
特別な特徴には乏しい面があるかもしれません。
そして3枚目(2001年録音)。
2001年の録音は、
まず音質が圧倒的に良いです。
残響でごまかすところがないのに、
やわらかく耳に心地よい音質で統一されているのは、
見事だと思います。
そして演奏ですが、
この最晩年の一連のブルックナー録音は
速めのすっきりしたテンポを取ることが多かったのですが、
ブル5はむしろじっくりとしたテンポで、
堂々とした仰ぎみる建築物のようなブルックナーを聴かせてくれます。
1973年録音の方は、
聴いていて若干疲れるところもあるので、
繰り返し聴いて楽しむのは、もってこいの録音だと思います。
唯一惜しいのは、やはりオケの響きでしょうか。
金管がオルガンのように美しく共鳴した演奏には、
日本に限らず出会うことが稀ですが、
金管がほんの少し耳障りに響く点は残念でした。
しかしこの3枚の中から1枚選ぶとすれば、
曲のすべてを見極めた上に立つ、
2001年録音が一番好きです。
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