Audite から復刻された
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー
(1886-1/25生 1954-11/30没)と
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の録音集
2枚目を聴きました。
音質もよく、新鮮な感動のもと、
作品の魅力を存分に味わうことができました。
Live in Berlin
The Complete Recordings RIAS
1) メンデルスゾーン:劇音楽「真夏の夜の夢」序曲 作品21
2) ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61
※ユーディー・メニューイン(ヴァイオリン)
3) バッハ:管弦楽組曲 第3番 ニ長調 BWV1068
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指揮)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1947年9月28日(1・2)、1948年10月24日(3)
ティタニア・パラスト、ベルリン
【audite 21.403】CD2
CD2枚目には3曲収録されています。
第1・2曲目には、
1947年9月28・29日に行われた
ベルリン・フィルの演奏会から、
初日(28日)の演奏で、
メンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」序曲と、
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
(独奏、メニューイン)
が収録されています。
フルトヴェングラー61歳、
メニューイン(1916 - 1999)31歳のときの演奏です。
この演奏会では、後半にもう1曲、
ベートーヴェンの交響曲第7番が取り上げられていますが、
この録音集には未収録です。
第3曲目には、
1948年10月24・25・26日に行われた
ベルリン・フィルの演奏会から、
初日(24日)の演奏で、
バッハの管弦楽組曲第3番
が収録されています。
フルトヴェングラー62歳のときの演奏です。
この演奏会では、このあと
シューベルトの未完成交響曲と、
ブラームスの交響曲第4番が取り上げられており、
この録音集の【CD3】にすべて収録されています。
さて内容です。
第1曲目。
メンデルスゾーン(1809 - 1847)の
「真夏の夜の夢」序曲は1826年、
メンデルスゾーン17歳のときの作品です。
ふわりとした軽めの印象で、
さらさら流れていくだけの演奏が多く、
これまでそれほど魅力を感じて来なかったのですが、
今回の演奏を聴いて、
はじめて曲の魅力がわかったように思います。
録音はそれほど鮮明ではありませんが、
軽すぎず、しかし重々しすぎず、
聴いていてちょうど良い塩梅で心に響いていくる演奏で、
確かによくできた名曲であると
実感することができました。
第2曲目。
ベートーヴェン(1770 - 1827)の
ヴァイオリン協奏曲は1806年、
ベートーヴェンが37歳のときの作品です。
交響曲でいえば、
第3番(1805)と第4番(1807)の間、
に位置する作品です。
フルトヴェングラーの指揮する、
深々としたオーケストラの響きに、
繊細ながらもしっかりと心に届いてくる、
明るく軽やかなヴァイオリンの音色が絶妙に絡みあって、
曲の魅力を十分に引き出した、
優れた演奏になっていると思います。
メニューインの演奏は、
わりと早くから技術的な問題が目立ち、
どれも今一歩の感があったのですが、
協奏曲ではほぼ初めて、
十分に満足のいく演奏に出会えました。
第3曲目。
バッハ(1685 - 1750)の管弦楽組曲第3番です。
有名な「G線上のアリア」を含む組曲です。
大オーケストラの分厚い響きは、
バッハの音楽をほどよく響かせるのには、
不似合いなところがありますので、
今ではもうほとんど聴かれなくなったタイプの演奏です。
しかし、これはすごい。
これほど、心を感じさせる演奏は、
初めて聴きました。
軽めの抜け切った響きの中に、
心のこもった静かで暖かな音楽が、
私の中に流れ込んできました。
特に「エア」は絶品です。
祈りの心に満たされたバッハは、
やはりいいものです。
※フルトヴェングラーの演奏会記録については、
仏ターラ社の ホームページ上にあるものを参照しました。
【http://www.furtwangler.net/inmemoriam/data/conce_en.htm】
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