ドイツのピアニスト
ヴィルヘルム・ケンプ
(Wilhelm Kempff 1895.11-1991.5)が
73歳のとき(1969.7)に録音した、
ドイツの作曲家
ヨハン・セバスティアン・バッハ
(Johann Sebastian Bach 1685.3-1750.7)の
ゴールドベルク変奏曲 BWV988 を聴きました。
「クラーヴィア練習曲集」(全4巻)の第4巻であり、
バッハが57歳のとき(1742年)に出版された作品です。
J.S.バッハ
ゴールドベルク変奏曲 BWV988
ウィルヘルム・ケンプ(ピアノ)
録音:1969年7月、ハノーヴァー、ベートーヴェンザール
【DG 439 978-2】
国内盤1000円のシリーズが
残念な音質だったので、
輸入盤を格安(780円!)で手に入れました。
とても良かったです。
グールドさんの演奏で聴き慣れた、
冒頭テーマの装飾音がきれいに取り払われているのが印象的で、
肩に力を入れず、
明るく自由な雰囲気の中で、
おっとりとした暖かな音楽が流れていきました。
聴き込むほどに、
バッハの楽譜を慈しんで、
ほどよく歌い込まれた演奏であることが伝わって来るので、
好感が持てました。
一聴何もしていないようにも聴こえるので、
リマスタリングが今一つだと、
本当に何もしていない退屈な演奏に聴こえるかもしれません。
武久源造さん以来の愛聴盤になりそうです。
***
グールドさんの演奏、
ゴールドベルク変奏曲は確かに名演なのですが、
感動するかといわれると、
少し違う気がします。
目の覚めるような、新鮮な驚きのある演奏なので、
今でも時折聴き返す録音ではあります。
しかしゴールドベルク以外では、
フレーズの終わりをぶっきら棒に弾き飛ばす癖が耳につき、
好きにはなれません。
独りよがりで、
音楽を適当に扱っているように感じられるのは
私だけでしょうか。
特別な才能の持ち主であることは間違いないと思いますが、
聴衆との切磋琢磨を拒絶することで、
自分の中だけで完結してしまい、
相手を感動させる音楽をつむぎだすことには、
後ろ向きな側面があるように思います。
将来、感想が変わる可能性もあるでしょうが、
今はこんな風に感じています。
※Wikipediaの「ヨハン・セバスティアン・バッハ」
「ゴールドベルク変奏曲」「ヴィルヘルム・ケンプ」を参照。
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