フィンランドの指揮者
パーヴォ・ベルグルンド(1929.4-2012.1)が45歳のときに(1974.6)、
イギリスのボーンマス交響楽団と録音した
同郷フィンランドの作曲家
ジャン・シベリウス(1865.12-1957.9)の
交響曲第5番と交響詩《伝説(エン・サガ)》を聴きました。
《伝説》は初めて聴きました。
シベリウス
1) 交響曲 第5番 変ホ長調 作品82
第1楽章 テンポ・モルト・モデラート~アレグロ・モデラート~プレスト
第2楽章 アンダンテ・モッソ・、クワジ・アレグレット
第3楽章 アレグロ・モルト
2) 交響詩《伝説(エン・サガ)》作品9
パーヴォ・ベルグルンド(指揮)
ボーンマス交響楽団
録音:1974年6月14日(交響曲)、1974年6月17日(組曲)
サウサンプトン・ギルドホール、イギリス
【TOCE-16016】
交響曲 第5番 変ホ長調 作品82 は、
シベリウス50歳の誕生日(1915.12)に初演された作品です。
改訂が2度施され、
53歳のとき(1919.11)に初演された
2度目の改訂稿が決定稿となっています。
第3番と同じ3楽章構成で、
実際、曲調も似ているように感じました。
第3番では明るい曲調の中に、若さというか、
抽象的ともいえる純度の高い音楽が展開されていたのに対し、
第5番では、
それまでの人生の深みというか、
50歳に至るまでの人生経験が織り交ぜられて、
再び誰にもわかりやすい音楽へと、
味わい深く進化を遂げているように感じました。
第4番をじっくり聴いた後の耳には、
とてもわかりやすい音楽に聴こえました。
これまでそれほど
感銘をもって聴いた記憶がないのですが、
今回初めて、
曲の真価をつかめた気がします。
***
交響詩《伝説(エン・サガ)》作品9 は、
シベリウスが27歳のときに初演された作品です(1893.2)。
のちに改訂され、36歳のとき(1902.11)に改訂版が初演されています。
26歳のとき(1892.4)に初演された
《クレルヴォ交響曲》作品7 が成功したのを受けて作曲された作品です。
クレルヴォが初演ののち撤回されてしまったので、
実質的に最初の成功作になりました。
さて聴いてみると、
初期のわかりやすい音楽で、
まとまりよく仕上がっているので、
コンサートで取り上げるのにはもってこいだと思いました。
ヴァイオリン協奏曲を多少俗化したような印象で、
ふつうに楽しんで、聴き終えることができました。
交響曲第5番のあとだと明らかに聴き劣りするのですが、
これだけじっくり取り上げれば、
また印象は異なると思います。
※Wikipediaの「ジャン・シベリウス」「交響曲第5番(シベリウス)」「エン・サガ」を参照。
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