オーストリア出身のピアニスト
アルトゥル・シュナーベル
(Artur Schnabel 1882.4-1951.8)が、
50歳から53歳にかけて(1932-35)録音した
ドイツの作曲家
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
(Ludwig van Beethoven 1770.12-1827.3)の
ピアノソナタ全集の2枚目です。
ベートーヴェン・ピアノソナタ録音協会全集第2集
ベートーヴェン(1770-1827)
ピアノソナタ 第19番 ト短調 作品49-1
ピアノソナタ 第20番 ト長調 作品49-2
ピアノソナタ 第4番 変ホ長調 作品7
ピアノソナタ 第5番 ハ短調 作品10-1
ピアノソナタ 第6番 ヘ長調 作品10-2
アルトゥル・シュナーベル(ピアノ)
録音:1932年11月19日〔19番〕、1933年4月12日〔20番〕、1935年11月11日〔4番〕、1935年11月6日〔5番〕、1933年4月10日〔6番〕、EMIアビー・ロード第3スタジオ、ロンドン
【Naxos 8.110694】
作品49(第19・20番)のソナタは、
34歳のとき(1805.1)に出版された作品ですが、
様式上、
25歳のとき(1796.3)に出版された作品2(第1-3番)のソナタと、
26歳のとき(1797.10)に出版された作品7(第4番)のソナタの、
間に作曲されたと考えられる作品なので、
CD2の冒頭に置かれているようです。
出版譜には「2つのやさしいピアノ・ソナタ」とあり、
ともに2楽章ずつからなる学習者用の作品ですが、
名手の手にかかるとさすがです。
他のソナタとは確かに趣向が違いますが、
ほっと一息、力を抜いたときの、明るいやさしさに包まれたベートーヴェンの小品として、魅力のある作品だと思いました。
作品7(第4番)のソナタは、
26歳のとき(1797.10)に出版された作品です。
作品2(第1-3番)のソナタと同じく、4楽章で構成されています。
ベートーヴェンの若々しい情熱が、
外に向かって放出される感のある曲で、
第3番からさらにもう一歩、
大きな規模の作品に挑戦してみた結果のようです。
緩徐楽章のみ、
多少間延びしてるようで、
全体像がつかみにくかったのですが、
ほかの楽章は、
雄弁なシュナーベルの演奏に魅了されました。
作品10(第5-7番)のソナタは、
27歳のとき(1798.9)に出版された作品です。
このCDには第5・6番が収録されています。
ともに3楽章で構成されています。
第5番はピアノ学習者がよく取り上げる曲で、
「ハ短調」の印象的な出だしが耳に残ります。
第6番とともに、
それほど大きな規模の作品ではありませんが、
元気でハツラツとしていた時期の
若きベートーヴェンを楽しむのにはもってこいの作品です。
全体としてみると、
まだ若さあふれる時期の
勢いのある小さめの規模の作品の魅力が、
シュナーベルの喋りかけるような雄弁なピアノで、
存分に引き出されていると思いました。
※L.v.ベートーヴェン全作品目録(国立音楽大学 音楽研究所)
【http://www.ri.kunitachi.ac.jp/lvb/bdb/bdb_index.html】を参照。
※ペティナ・ピアノ曲事典「ベートーヴェン」
【http://www.piano.or.jp/enc/composers/61/】を参照。
※Wikipedia の「アルトゥル・シュナーベル」
「ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン」
「ベートーヴェンの楽曲一覧」を参照。
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