フルトヴェングラー&ベルリン・フィルの
シューベルト《ザ・グレイト》が今ひとつだったので、
ほかに満足できる演奏はないか探していたところ、
最近タワーレコードで格安で手に入れた
朝比奈隆(1908.7-2001.12)指揮、
東京都交響楽団の演奏がとても良かったので紹介します。
フランツ・シューベルト(1797.1-1828.11)
交響曲第9番ハ長調 D.944《ザ・グレイト》
朝比奈隆(指揮)
東京都交響楽団
録音:1995年1月22日、東京芸術劇場
【FOCD-9359】
スケールの大きい雄渾な演奏です。
強奏時の響きが耳に心地よく、
素朴でのどかな感じもよく出ていて、
《グレイト》の魅力を存分に味わうことができました。
シューベルトの交響曲は、
オケの響きにそれなりに魅力がないと、
今ひとつ楽しめない側面があるように思いますが、
東京都交響楽団の機能性の高さも嬉しい驚きで、
絹のようになめらかな響きが美しく、
ライブでここまで聴かせてくれたら
私には十分なレベルでした。
この1年後、
朝比奈隆が87歳のときに大阪フィルをふった
同曲の演奏もCD化されています。
大阪フィルハーモニー交響楽団
朝比奈隆(指揮)
録音:1996年2月16日、愛知県芸術劇場
【PCCL-00388】
これは当日実演を聴くことができ、
大感動した記憶の残るCDなのですが、
久しぶりに聴き直してみたところ、
オケの響き自体は、ホールと一体化して
いい感じにやわらかく録れているのですが、
朝比奈が即興的にテンポをゆらしていたのか、
微妙にアンサンブルの縦の線がずれる部分があって、
今回はそれほど楽しめませんでした。
どちらかといえば、
大阪フィル盤のほうが
ライブならではの動的な側面が強いので、
都響盤の記憶が薄れたころに聴き直すと
違った感想になるかもしれません。
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