ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(1886-1954)と
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の録音集、
10枚目を聴きました。
Live in Berlin
The Complete Recordings RIAS
フランツ・シューベルト
1) 交響曲第7番ロ短調《未完成》D759
2) 交響曲第8番ハ長調《ザ・グレート》D944
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指揮)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1953年9月15日、ティタニア・パラスト、ベルリン
【audite 21.403】CD10
CD10には、
1953年9月15・16・17日に行われた
シューベルト:劇付随音楽《ロザムンデ》序曲
シューベルト:交響曲第8番《未完成》
シューベルト:交響曲第9番《ザ・グレート》
の3曲からなる演奏会から、
15日に演奏された交響曲2曲を収録しています。
(残りの曲は、CD9に既収録。)
***
オーストリアの作曲家
フランツ・シューベルト
(Franz Schubert 1797.1-1828.11)の
交響曲第8番ロ短調《未完成》D759
は、シューベルトが25歳(1822)のときに
第1・2楽章まで完成したのち、
第3楽章の途中までで作曲をやめてしまったため、
生前は演奏されることなく、
没後37年をへた
1865年12月に初演されました。
《未完成》交響曲といえば
この1曲をさすくらい有名ですが、
シューベルトの交響曲のうち、
未完成に終わっているものは他にも5曲ほどあるようです。
いずれブログにまとめます。
交響曲第9番ハ長調《ザ・グレート》D944
は、シューベルトが29歳(1826)のときに完成された作品です。
生前は演奏されず、
没後10年をへた1839年3月に、
メンデルスゾーンの指揮で初演されました。
この曲も今では周知の名曲となっていますが、
1828年にシューベルトが亡くなってから、
1839年にシューマンが自筆譜を確認するまで、
10年はほぼ忘れ去られていたそうです。
***
《未完成》は、
最近ありがちな軽めの演奏ではなく、
大オーケストラで曲想をえぐりぬいた
重々しく深みのある演奏でした。
本来はもっと軽めに演奏させるのが正しい解釈なのかもしれませんが、
思っていたよりずっと深みのある曲だったのだな、
と、曲の真価を教えられた気がしました。
改めて他の演奏も聴いてみたいと思いました。
《ザ・グレート》は、
まずまず好きな曲ですが、
フルトヴェングラーの録音は、
オケが鳴りすぎたのか、
それなりに鮮明ではあるものの、
必ずしも美しいとは言いかねる威圧的な音で録れていて、
曲をそれほど堪能できないままで終わってしまいました。
フルトヴェングラーの解釈は、
一聴の価値ありと思いますが、
音質からいって、
他を押しのけてもこれを第一に推すのは気が引けます。
※Wikipediaの「フランツ・シューベルト」
「シューベルトの楽曲一覧」の各項目を参照。
※フルトヴェングラーの演奏会記録については、
仏ターラ社の ホームページ上にあるものを参照。
【http://www.furtwangler.net/inmemoriam/data/conce_en.htm】
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