音質向上した
「DECCA The Best 1200」のシリーズ(2013.5発売)からもう1枚、
フランス生まれ、アメリカ育ちの指揮者
ロリン・マゼール(1930.3-2014.7)が、
オースリアのオーケストラ
ウィーン・フィルを指揮して録音した
オースリアの作曲家
アントン・ブルックナー(1824.9-1896.10)の
交響曲第5番変ロ長調を聴きました。
先日84歳で亡くなられた
マゼール44歳の時(1974.3)の録音です。
アントン・ブルックナー
交響曲第5番変ロ長調(ノヴァーク版)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1974年3月25-28日、ウィーン、ゾフィエンザール
【UCCD-7211】
交響曲第5番変ロ長調 は、
ブルックナーが51-54歳(1875-1878)の時に作曲されました。
ブルックナーが70歳(1894.4)の時に、
フランツ・シャルクによって初演されましたが、
これはシャルクの改訂稿によるもので、
ブルックナー本人は聴いていません。
1878年時の完成稿(原典版)にもとづく初演は、
ブルックナーの没後39年をへた1935年10月に行われました。
つまりブルックナー本人は、
シャルク改訂稿も原典版も実演を耳にする機会はなかったことになります。
***
マゼールとの相性は良くないようで、
さほど熱心に聴いて来なかったこともありますが、
これまで1枚も、
感動するCDに出会ったことはありませんでした。
いろいろ仕掛けてくる割には、
いつもどこか冷めた感じがあって、
単純に、聴いていて楽しくない演奏が多かった印象です。
今回のブルックナー、
それほど期待はしていなかったのですが、
思いのほか完成度が高く、びっくりしました。
第5の楽譜を、
ここまで立派に鳴らしきった演奏には
なかなか出会えないと思います。
やはりどこまでも冷めた印象はあるのですが、
まだ40代半ばなので気力は十分。
ウィーン・フィルの美しい音色も味方して、
楽譜のすみずみまで完璧に鳴らしきった、
見事なブルックナーだと思いました。
同じ時期のシベリウスやチャイコフスキーと
同じタイプの演奏なのですが、
音楽の自然な流れをさえぎることもなく、
まずは理想的なブル5の演奏だと思います。
マゼールのブルックナー、
その後の演奏がどうなのかはしばらく置いておきますが、
この1枚にはたいへん感心しました。
※Wikipediaの「ロリン・マゼール」「ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団」「アントン・ブルックナー」「交響曲第5番(ブルックナー)」を参照。
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