オーストリアのザルツブルク生まれの作曲家
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756.1-1791.12)の
ディヴェルティメント第15番を、
ウィーン・フィルのコンサートマスターを務めた
ユーゴスラヴィア生まれのヴァイオリニスト、
ゲルハルト・ヘッツェル(1940.4-1992.7)率いる
ウィーン室内合奏団の演奏で聴きました。
モーツァルト
1) ディヴェルティメント(第15番)変ロ長調 K.287(271H)
(“第2ロドゥロン・ナハトムジーク”)
2) 音楽の冗談 ヘ長調 K.522
ウィーン室内合奏団
ゲルハルト・ヘッツェル(第1ヴァイオリン)
ヨーゼフ・ヘル(第2ヴァイオリン)
ハット・バイエルレ(ヴィオラ)
アーダルベルト・スコチッチ(チェロ)
ヘルベルト・マイヤー(コントラバス)
フランツ・ゼルナー(ホルン)
フォルカー・アルトマン(ホルン)
録音:1992年4月4-9日、ウィーン、カジノ・ツェーガーニッツ
【COCO-73010】
ディヴェルティメント 変ロ長調 K.287(281H) は、
20歳の時(1776.6)に
エルンスト・ロドゥロン伯爵夫人の
聖命祝日のために作曲されたことが明らかな作品です。
「第2ロドゥロン・ナハトムジーク」と呼ばれることもあります。
音楽の冗談 K.522 は、
モーツァルト31歳の時(1787.6)に完成された作品です。
(竹内ふみ子氏のCD解説を参照。)
***
どちらも初めて聴きました。
「第2ロドゥロン・ナハトムジーク」は、
明るく典雅な雰囲気をたたえた可憐な作品で、
聴けば聴くほど味わいが増す、
よく練られた佳曲でした。
仕事や勉強をしながら聴くのにもってこい、
というと怒られてしまうかもしれませんが、
仕事をしながらくり返し聴くほどに、
よくできた曲であることが伝わってきました。
恐らくほかと聴き比べたほうが、
良さがわかってくると思うので、
ほかの演奏も探して聴いてみようと思います。
ヘッツェルさんのヴァイオリンは、
室内楽のときは絶対に出しゃばろうとしないので、
これだけ聴いていると、
何も自己主張していないようにすら聴こえるのですが、
楽譜を深く読み込んで、
作曲家の意図を
音楽的に再現することにのみ集中している
「我」を排した音楽は、
聴き込むほどに味わい深く、
一つの理想的なかたちを実現していると思いました。
「音楽の冗談」は初めて耳にしました。
これは演奏を云々する以前に、曲が今ひとつ。
数回聴けば十分です。
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