コダーイ四重奏団(1966-)による
オーストリアの作曲家
フランツ・ヨーゼフ・ハイドン
(Franz Joseph Haydn 1732.3 - 1809.5)の
弦楽四重奏曲全集6枚目です。
ハイドン
弦楽四重奏曲第20番変ホ長調作品9-2〔Hob.Ⅲ-20〕
弦楽四重奏曲第23番変ロ長調作品9-5〔Hob.Ⅲ-23〕
弦楽四重奏曲第24番 イ長調 作品9-6〔Hob.Ⅲ-24〕
コダーイ四重奏団
録音:1993年1月28-30日、ブダペスト、ユニテリアン教会
【Naxos 8.550787】
このCDには、
作品9の6曲中3曲が収録されています。
作品9は、
ハイドン38歳の頃(1770頃)に作曲されました。
ホーボーケン番号では、
Hob.Ⅲ-19~24 に分類されています。
これはハイドン69歳の時(1801)に、
弟子のプレイエル(1757-1831)がまとめた
最初の全集(全83曲)における通番(第19~24番)に従ったものです。
なおこのCDの裏面には、
No.14 Op.9, No.2
No.15 Op.9, No.5
No.16 Op.9, No.6
という独自の通番がふられていますが、根拠が不明なので、
このブログではふだん使われている通番に訂正しました。
***
さて、
初期の作品1から作品3の18曲を聴いたあと、
改めて作品9を聴いてみると、
明らかに作風が変わって来ていることに気がつかされます。
これまでも、
キラリと光るところはたくさんあったのですが、
全体的なまとまりが今一つだったり、
聴いていて若干たいくつに感じられる曲も
少なからず混じっていました。
でも作品9になると、
習作的なところがなくなって、
一つ上のレベルの完成された作品として楽しむことができました。
初期の四重奏曲からは
10年近く時間をおいてから取り組まれているので、
その分、作品の深まりをみせているのでしょう。
なお、
初期の弦楽四重奏曲が作られてから
作品9が生まれるまでに(1765-68頃)、
バリトン三重奏曲を70曲以上も作っているので、
その経験も生かされたのかもしれません。
コダーイ四重奏団の演奏、
技術的に申し分のないのは当然として、
晴朗な清々しい印象がハイドンにぴったりで、
秋雨の午後の憂鬱さを
晴やかな空間で満たしてくれました。
耳障りなところのない、
変に力んだところのない演奏ですが、
さらさらと上っ面を流れてしまうわけでもなく、
中身のある充実した音楽で、
聴く人の心を明るく持ち上げてくれて、
ハイドンの魅力を満喫することができました。
※wikipedia の「フランツ・ヨーゼフ・ハイドン」
「ハイドンの弦楽四重奏曲一覧」「イグナツ・プライエル」の各項目を参照。
※中野博詞『ハイドン復活』(春秋社、平成7年11月)を参照。
※現代音楽作曲家・福田陽氏の
「ハイドン研究室」〈http://www.masque-music.com/haydn/index.htm〉を参照。
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