2022年12月3日土曜日

特別展「クマのプーさん」展(名古屋市美術館)

去る11月27日、名古屋市中区栄にある名古屋市美術館に、特別展「クマのプーさん」展を観に行って来ました。(10月8日(土)からこの日まで開催。もう一箇所、7月16日から10月2日まで 東京のPLAY!MUSEUM〔東京都立川市〕でも開催。)最終日の終了1時間前に入ったのですが、さすがプーさん、まだまだぎっしりの人集りでした。残り30分を過ぎ ようやく空いてきたので、急ぎ足で一気に目に焼きつけて来ました。

プーさんの著者A.A.ミルン(Alan Alexander Milne, 1882-1/18~1956-1/31)氏よりも、その挿絵を描いたE.H.シェパード(Ernest Howard Shepard, 1879-12/10~1976-3/24)に焦点を当てた展示でしたので、事前に取り急ぎ、森絵都(もりえと)訳で『クマのプー』と『プー通りの家』を読んでおいて正解でした。ああ、あの話のことかと思い当たる絵がたくさん。森訳の挿絵は村上勉(むらかみつとむ)氏ですが、かえって新鮮な気持ちで、シェパードの絵を眺めることができました。プーさん本来の世界感をつかむ上で、とても良い機会になりました。

個人的には、石井桃子(いしいももこ)氏の翻訳された『熊のプーさん』初版本(1940年)が見られたのは収穫。できれば中も見てみたかったのですが、ケース内に表紙が見えるように1冊置かれているだけだったので、かなわず。いずれ古本で手に入れましょう。

最後に図録をと思ったら、布クロスの上製本だからか、通常よりかなり割高。(少し悩んで購入。後で調べてみると、珍しくAmazonでも手に入る!)


安達まみ(監修)
『E・H・シェパード
 クマのプーさん展公式図録 百町森のうた』
(ブルーシープ株式会社、2022年9月)

同書の凡例に、「展覧会はアメリカ・マサチューセッツ州のエリック・カール絵本美術館との共同企画で、本図録に掲載されている展覧会の出品作品は同美術館にアーカイブされている。」とありました。


2022年10月17日月曜日

「吉村芳生展 超絶技巧を超えて」(松坂屋美術館)

 去る十月十六日、名古屋市中区にある松坂屋美術館まで、山口県出身の画家吉村芳生(よしむらよしお 1950年7月~2013年12月)氏の回顧展「吉村芳生展 超絶技巧を超えて」を観に行ってきました。まったく存じ上げていなかったのですが、秋に面白そうな展覧会はないか探しているうちに、ホームページ上に掲げられていた藤の花の印象的な写実画に惹き込まれ、行ってみることにしました。

色鉛筆で描いた美しい花の絵は後半3分の1くらいで、あとの3分の2は鉛筆で描いたモノクロの「ありふれた風景」画と「自画像」の数々。回顧展なので、吉村氏の人生を語る上で避けられない構成だったのでしょうが、一素人がみて感動するのは「百花繚乱」と題して集められた写実的な花の数々のほう。花の絵だけを集めた展覧会ならまた見てみたいなと思いました。

インターネットで調べてみると、時折そんな機会もあるようなので、忘れないように心に留めておこうと思います。

2022年5月8日日曜日

企画展「ミロ展 日本を夢みて」(愛知県立美術館)

 去る5月1日、名古屋市東区にある愛知県美術館まで、スペインを代表する芸術家 ジュアン・ミロ(Joan Miró, 1893年4月20日~1983年12月25日)の20年ぶりの回顧展「開館30周年記念 ミロ展 日本を夢みて」を観に行って来ました。

「20年ぶり」とあるのが気になったので調べてみると、愛知県美術館で「20年ぶり」にという意味で、今から20年前(2002年 10/4-12/1)に、愛知県美術館で「開館10周年記念 ミロ展 1918―1945」が開催されていました。

10年前(2012年 7/21-9/23)には、高知県立美術館「ミロ展 ピカソ、ダリと並ぶスペイン近代絵画の巨匠」が開催され、「1928年に発表された初めての版画作品である『一羽の小さなカササギがいた』をはじめ」「ミロが生涯にわたって制作した膨大な版画作品から代表作145点」が紹介されていますし、

昨年(2021年 1/9-2/28)にも、山梨県の南アルプス市立美術館「開館30周年記念 ジョアン・ミロ展」が開催され、「ミロの第1作目の作品《一羽の小さなカササギがいた》を含み、初期から晩年までを網羅した」146点が紹介されていました。

今回の「ミロ展 日本を夢みて」では、当日の出品目録をみると、全140点中71点がミロの作品で、初心者向けにミロの代表作を紹介する、というよりは、ミロと日本との関係を詳しく明らかにすることに照準を合わせた展示になっていました。

とりあえず好きな画風であること、日本に深い親しみを抱いていた方であることは確認できたので、これをきっかけに、ミロが生涯にどのような作品を残したのか、より深く知りたくなりました。ミロの手ごろな入門書を探してみたところ、次の1冊が見つかりました。

松田健児・副田一穂著

『もっと知りたいミロ 生涯と作品』

(東京美術[アート・ビギナーズ・コレクション]2022年2月◆80頁)

近々購入し、手元に置いておこうと思います。

2022年4月4日月曜日

特別展「ゴッホ展/響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」(名古屋市美術館)

去る4月3日(日)、名古屋市中区にある名古屋市美術館まで、特別展「ゴッホ展/響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」を観に行ってきました。

フィンセント・ファン・ゴッホ(Vincent van Gogh, 1853年3月-1890年7月)の芸術に魅了され、世界最大の個人収集家となったヘレーネ・クレラー=ミュラー(Helene Kröller-Müller, 1869-1939)が、夫アントンとともに収集した90点の油彩画と180点の素描・版画が現在、クレラー=ミュラー美術館(オランダ、1938年設立)に所蔵されています。今回の展覧会では、同美術館に所蔵されるヘレーネ・コレクションの中から、ゴッホの油彩画28点と素描・版画20点などが公開されました。

そのほかファン・ゴッホの弟テオ、その妻ヨーが引き継いだコレクションにもとづくファン・ゴッホ美術館(オランダ、1973年設立)から、ゴッホの油彩画4点が特別に出品されました(以上、展覧会図録の「ごあいさつ」参照)。

ゴッホは、心のゆがみを感じさせる画風が苦手なので、好きでない作品も多いのですが、時折飛び抜けて魅惑的な明るい光を放つ作品に出会えることがあるので、近隣でゴッホ展があるときはたいてい観に行っています。

今回は良いものが多かったのですが、その中で特に魅了されたのは次の2点です。

《59/緑のブドウ園

  (The Green Vineyard)》

   ※1888年10月3日頃(35歳)

《60/サン=レミの療養院の庭

  (The Garden of the Asylum at Saint-Rëmy)》

   ※1889年5月(36歳)

特に《60》に深く感動しましたが、図録では十分の一も良さが伝わらないので、またいずれどこかで実物を観たいものです。

もう一つ、ゴッホの作品ではありませんが、カミーユ・ピサロ(Camille Pissarro, 1830-1903)の1893年の油彩画

《8/2月、日の出、バザンクール

  (February, Sunrise, Bazincourt)》

が出品されていました(クレラー=ミュラー美術館所蔵)。こちらも自分の感性に合っていて、観られて幸せな気持ちになりました。