2017年4月17日月曜日

バーンスタイン&ニューヨーク・フィルのマーラー:交響曲第7番《夜の歌》(1960年録音)

アメリカ合衆国の指揮者
レナード・バーンスタイン(1918.8-1990.10)が、
ニューヨーク・フィルを指揮して録音した

オーストリア帝国の作曲家
グスタフ・マーラー(1860.7-1911.5)の
交響曲第7番《夜の歌》を聴きました。

バーンスタイン47歳の時(1965年12月)の録音です


CD10
マーラー:交響曲第7番ホ短調《夜の歌》

レナード・バーンスタイン(指揮)
ニューヨーク・フィルハーモニック
録音:1965年12月14・15日、ニューヨーク、フィルハーモニー・ホール(現エイヴリー・フィッシャー・ホール)
【Sony Classical 88697943332】2012年6月発売。

第7番《夜の歌》は、
マーラー48歳の時(1908年9月)に初演された作品です


バーンスタイン&ニューヨーク・フィルによる
マーラーの交響曲全集、
第1番から第5番まで聴いて来ましたが、

期待の大きさから考えると、
多少肩透かしにあったような演奏が続いていました。

そこでこの第7番《夜の歌》も、
それほど期待はしていなかったのですが、
聴いてびっくりの名演でした。

斬新で実験的な要素が多い曲のせいか、
誰の演奏で聴いてもそこまで感動することはなかったのですが、
さすがバーンスタイン、

少し速めのテンポで、
すべての要素を有機的につなぎあわせ、
全体を生き生きとまとめ上げてあり、

この難解な交響曲を初めてわかりやすく、
感動的に聴き終えることができました。

録音も、
インバルの自然な音質とは違うのですが、
セッション録音の長所を十分に活かした、
どこも明晰に聴き取れる耳に心地よい録音で、
1960年代のものとして最上レベルだと思います。

実際のコンサートで、
これと同じ響きで聴こえることはなかったはずなので、
その点考慮する必要はありますが、

単純に聴こえてくる音から判断するなら、
私の中での《夜の歌》のベスト演奏となりそうです。

2017年4月10日月曜日

テイト&イギリス室内管のモーツァルト:交響曲全集 その1(1993・95年録音)

イギリスの指揮者
ジェフリー・テイト
(Jeffrey Tate, 1943年4月- )の指揮する
イギリス室内管弦楽団の演奏で、

オーストリアの作曲家
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756年1月-91年12月)の
交響曲全集(全12枚)の1枚目を聴きました。

テイト50・52歳の時(1993・95年)の録音です


モーツァルト(1756–1791)
Disc1
①交響曲(第1番)変ホ長調 K.16
②交響曲(第4番)ニ長調 K.19
③交響曲 ヘ長調 K.19a/Anh.223
④交響曲(第5番)変ロ長調 K.22
⑤交響曲 ト長調 K.45a/K.Anh.221「ランバッハ」
⑥交響曲(第43番)ヘ長調 K.76/K.42a

イギリス室内管弦楽団
ジェフリー・テイト(指揮)
録音:1993・95年、ロンドン、アビー・ロード第1スタジオ
【Warner Classics 50999/9/84638/2/4】Disc1

CD1にはモーツァルトが8歳から11歳まで(1876-67年)に作曲された交響曲が収録されていました。

①交響曲(第1番)変ホ長調 K.16 は、
8歳の時(1764年)にロンドンで作曲。

②交響曲(第4番)ニ長調 K.19 は、
9歳の時(1765年)にロンドンで作曲〔異説あり〕。

③交響曲 ヘ長調 K.19a/Anh.223 は、
9歳の時(1765年)にロンドンで作曲〔異説あり〕。
 ※1981年10月にミュンヘンで再発見。

④交響曲(第5番)変ロ長調 K.22 は、
9歳の時(1765年12月)にハーグで作曲。

⑤交響曲 ト長調 K.45a/K.Anh.221「ランバッハ」は、
10歳の時(1766年)にハーグで作曲。
 ※1923年にオーストリアのランバッハで発見。

⑥交響曲(第43番) ヘ長調 K.76/K.42a は、
11歳の時(1767年秋)にウィーンで作曲〔異説・偽作説あり〕。


モーツァルトの交響曲では、1879-81年に
ブライトコプフ・ウント・ヘルテル社から刊行された
旧全集の通番(第1-41番)が今でも便宜上使われています。

これは1862年に
ブライトコプフ・ウント・ヘルテル社から出版された
ルートヴィヒ・フォン・ケッヘル
(Ludwig von Köchel, 1800年1月- 1877年6月)による
『モーツァルト全音楽作品の年代別主題別目録 Chronologisch-thematisches Verzeichniss sämmtlicher Tonwerke Wolfgang Amade Mozart's 』にもとづく分類なので、

その後の研究で、偽作であることが確認された作品や、
新たに発見された作品の情報は、当然反映されていません。

このCDには、
旧全集の第1・4・5番と43番、ほか2曲が収録されています。
未収録の第2・3番は偽作と断定されている作品です。

 交響曲第2番 変ロ長調 K.17/K.Anh.C11.02 (偽作)
 交響曲第3番 変ホ長調 K.18/K.Anh.A51 (偽作)


  ***

モーツァルトの交響曲全集を
手に入れたいなと思っていたところ、昔懐かしい
ジェフリー・テイト&イギリス室内管弦楽団のCDが、
12枚組3,000円で出ていたので購入してみました。

モーツァルトの交響曲、
後期の6曲を除くと途端に聴く機会が少なくなるので、
初期の番号のものはほとんど聴いたことがありません。

はじめに数回聴いたときには、
さすがに10歳前後に作られた曲なので、
BGMで聴き流すのにちょうど良い軽めの音楽で、
それほど面白い音楽には思えませんでした。

しかし何回か聴き込んで、
曲の流れが頭に入って来ると、
それで飽きるということもなく、
どんどん魅力が増して来ました。

それでもやはり、後期の6曲のように、
聴けばすぐに何番かわかるほどの個性は感じないのですが、
初期は初期なりの魅力があることを実感できたのは収穫でした。

テイトの紡ぎ出すイギリス室内管弦楽団は、
清楚で明るく鮮やかな印象で、
私が期待するモーツァルト像にぴったりの音色でした。

多少軽めに聴こえるので、
凄い何かに期待すると肩透かしにあうかもしれませんが、
繰り返し聴くに足る、充実した内容の1枚だと思いました。


※海老澤敏/吉田泰輔監修『モーツァルト事典』(東京書籍、1991年11月)の「交響曲」の章を参照。

2017年4月3日月曜日

インバル&フランクフルト放送響のマーラー:交響曲第7番《夜の歌》(1986年録音)

イスラエルの指揮者
エリアフ・インバル(Eliahu Inbal, 1936年2月- )の指揮する

ドイツのオーケストラ
フランクフルト放送交響楽団
(2005年にhr交響楽団に改称)の演奏で、

オーストリア帝国の作曲家
グスタフ・マーラー(1860.7-1911.5)の
交響曲第7番《夜の歌》を聴きました。

指揮者50歳の時(1986年5月)の録音です


グスタフ・マーラー
交響曲第7番《夜の歌》

エリアフ・インバル指揮
フランクフルト放送交響楽団
マルティン・ゲス(テノール・ホルン)

録音:1986年5月14-17日、フランクフルト、アルテ・オーバー
【COCO73087】2010年8月発売。

交響曲第7番《夜の歌》は、
マーラーが48歳の時(1908年9月)に初演された作品です

音の良さに驚いた[Blu-spec CD]による
インバルのマーラー、
あまり得意でない第7番《夜の歌》を聴いてみました。

実際にホールで聴くのに近い、
ごく自然な響きを基調としながら、
オケの細かいところまで鮮明に聴き取れる、
美しい録音にまず聴き惚れました。

憑依するような過度な演出はないものの、
ザンデルリンクやスウィトナー、
ブロムシュテットのマーラーを聴く時のような、
一定の距離感がある演奏ではなく、

楽譜への深い共感をもとに、
すみずみまで丁寧に音にしている印象で、
オーソドックスな解釈による名演として、
今でも十分お薦めできる録音だと思いました。

全体的に、
真面目に手堅くまとめた演奏であって、
あとほんの少し枠からはみ出して
訴えかけて来る強さもあったらいいなと思うので、

都響との再録音のほうも、
近々聴いてみようと思います。