2023年2月12日日曜日

展覧会「パリに生きた画家たち マルケ、ユトリロ、佐伯祐三、荻須高徳が見た風景」(ヤマザキ マザック美術館)

 去る2月5日(日)に、名古屋市東区にあるヤマザキ マザック美術館まで、展覧会「パリに生きた画家たち マルケ、ユトリロ、佐伯祐三、荻須高徳が見た風景」を見に行って来ました。見る前は、誰か一人に絞った方がと思っていたのですが、ほぼ同じ時代を生きた画家たちによる、同じ街で描かれた絵画がズラリと並んでいて、4者の個性の違いをかえって強く感じ取ることができました。正月にかけて色々見てきた中で、一番楽しめました。

 アルベール・マルケ(Albert Marquet, 1875年3月26日~1947年6月13日)
 モーリス・ユトリロ(Maurice Utrillo, 1883年12月26日~1955年11月5日)
 佐伯祐三(さえきゆうぞう 1898年4月28日~1928年8月16日)
 荻須高徳(おぎすたかのり 1901年11月30日~1986年10月14日)

彼らのうち、前からある程度見ていたのはユトリロのみ。そのユトリロも良かったのですが、強烈な個性を放っていたのは後半の二人の日本人のほう。とくに荻須高徳は20点余り展示されていて、初めて彼の良さを感じ取ることができました。割りと近くに稲沢市荻須記念美術館があるにも関わらず、一度も訪れたことがなかったので、今後注目していこうと思いました。佐伯祐三の作品は8点。早世されたからかスタイルが定まっていない感じもありますが、放出されるエネルギーに圧倒されました。とくに

 23《プティ・レストラン》1927年

は絶品。またどこかでお目にかかりたい。

 この2人のあとで改めてユトリロ10点を眺めてみると、強烈な個性を前に押し出すタイプではないので多少分が悪い。またいずれ、ユトリロだけを取り上げた展覧会でお目にかかりたいものです。マルケはこれまで全く注目して来なかったのですが、今回7点まとめて眺めたことで、どんな作風か初めて理解できました。

 荻須高徳の良さを発見できた点、今回は自分にとってありがたい機会になりました。

 帰りに図録を購入して家路につきました。それほど大部なものではありませんが、展示された作品はほぼ収録されており、4人の個性の違いを感じ取れるよくまとまった図録となっていました。ヤマザキマザック美術館主任学芸員 吉村有子氏の手腕に感服。

2023年1月29日日曜日

企画展「展覧会 岡本太郎」(愛知県美術館)

 去る1月22日(日)、名古屋市東区にある愛知県美術館まで企画展「展覧会 岡本太朗」(開館30周年記念)を見に行って来ました。岡本太郎(1911年2月26日~1996年1月7日)の名は、小学生のころ家族で遊びにいった犬山ラインパーク(現在の日本モンキーパーク)にある《若い太陽の塔》の作者として知ったのが初めてでした。

 テレビなどで姿をお見かけすることは多かったのですが、今に至るまで、肝心の作品をまとめて見る機会はほとんどありませんでした。どんな作品を残された方なのか、興味津々で見に行って参りました。

 スペインのミロの系統。しかし彼より遥かに毒がありました。記憶に残るテレビでのお姿とは違って、たいへん優れた知力の持ち主であることが確認できました。作品自体は、時代を反映してか抽象的なものが多く、総じてあまり好きな画風ではありませんでした。

 それでも
 3-10《予感》1963
 3-11《跳ぶ》1963
 3-12《愛撫》1964
の3作品には圧倒的な感銘を受けました(川崎市岡本太郎美術館所蔵)。これを見られただけで十分満足。岡本太郎は凄い!と心から思える作品に出会えました。

これに続くのが
 3-8《生成》1961 (高松市美術館所蔵)
 3-9《装える戦士》1962 (川崎市岡本太郎美術館所蔵)
の2作品。この時期の彼の作品群にもっと注目したいと思いました。

 岡本氏はたくさん本も書かれているので、この機会に一冊手に取ってみようと思ったものの、はじめに読むのはどれが良いのか思案しているところです。

2023年1月8日日曜日

ジミー大西 画業30年記念作品展「POP OUT」(JR名古屋高島屋)

 去る正月二日(月)、ジェイアール名古屋タカシマヤまで、ジミー大西 画業30周年記念作品展「POP OUT」を見に行って来ました。テレビで時折見かけるユニークな画風が、以前から気になっていました。実物を見るよい機会と思い、正月休みを利用して名駅に足を運びました。

 様々な生き物をモチーフにした、色彩感豊かな作品がズラリと並んでいて、予想の3倍増しで楽しめました。ピカソやミロなどスペインを思わせる画風ですが、見る人を突き放すような冷たいところは微塵もなく、ずっと親しみやすい印象を受けました。独特のユーモアを感じさせる、明るく暖かな色合いに、心穏やかなひと時を過ごすことができました。

 立派な『Jimmy Onishi ART WORKS 1993-2022 ―ジミー大西・画業30年記念作品集―』(ヨシモトブックス、2022年4月)が発売されていたので購入しました。今後の展開が楽しみな画家が一人増えました。まだまだもっと凄い作品が生み出せる方のように感じました。