私にとって、「英雄」は、
ベートーヴェンの交響曲の中で、
今ひとつ、つかみどころのない、
わかりにくいところのある曲です。
はじめて本心から、
ああいい曲だな、と思えたのは、
金聖響さんとオーケストラ・アンサンブル金沢
がベートーヴェン交響曲全集の
第1弾として録音したCDです。
ベートーヴェン
交響曲第3番 変ホ長調 作品55《英雄》
《コリオラン》序曲 作品62
オーケストラ・アンサンブル金沢
指揮:金聖響
〔録音〕2003年5月7、8、9日 石川県立音楽堂コンサートホール
(9日=ライブ録音)
【WPCS-11685】
ピリオド奏法を取り入れて、
速めのテンポで一気呵成に駆けぬけた演奏です。
響きは軽めですが、
若々しい覇気も十分に感じられ、
飽きることなく最後まで《英雄》を楽しませてくれます。
あえていえば、
もっと深い曲なのではないか、
と思えなくもないのですが、
これはこれで十分楽しめる、好演だと思います。
聖響さんのチクルスはまだ終了していませんが、
今のところ、この《英雄》が格別にいいようです。
年齢からいえば当然のことですが、
第2弾からは、若干の迷いのようなものが感じられました。
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