2011年7月27日水曜日

大町陽一郎&九響のシュトラウス・ファミリー名曲集2

大町陽一郎さんと九州交響楽団のウィンナー・ワルツ、
第2弾を聴いてみました。


シュトラウス・ファミリー名曲集2
ヨハン・シュトラウスⅡ/喜歌劇「ジプシー男爵」序曲
同 / ポルカ「ハンガリー万歳」Op.332
同 / ワルツ「南国のバラ」Op.388
同 / アンネン・ポルカ Op.117
ヨゼフ・シュトラウス/ワルツ「天体の音楽」Op.235
ヨハン・シュトラウスⅡ/喜歌劇「こうもり」より“候爵様、あなたのようなお方は” 
同 / ワルツ「春の声」Op.410
同 / ポルカ「雷鳴と稲妻」Op.324
同 / ポルカ「クラップフェンの森にて」Op.336
ヨゼフ・シュトラウス/鍛冶屋のポルカ Op.269
ヨハン・シュトラウスⅡ/ワルツ「皇帝円舞曲」Op.437

大町陽一郎(指揮)
九州交響楽団
半田美和子(ソプラノ)
録音:2009年1月14日
Center Culturel SUENAGA
【FOCD9430】


すばらしいです。

なかなかこれだけ立派な、でもしかし、それなりに軽くてやわらかい、
ウィンナー・ワルツの醍醐味を味わえる演奏は聴けません。

私の大好きな「天体の音楽」と「皇帝円舞曲」が入っており、
どちらも言うことのないレベルで楽しめました。

「南国のバラ」もたっぷりとした感じが良かったです。

唯一、半田さんのソプラノが入った「春の声」は、
ふつうにコンサートで聴く分には何ら問題ないレベルですが、
CDで聴く分にはあと一歩の感がありました。

このご時世、
さらに第3弾を期待するのは難しいかもしれませんが、
もう1,2枚分は取り上げてもらえたら嬉しいです。

ウィンナー・ワルツといえば、
ウィーン・フィルの独特な響きにはかなわない所がありますが、
ニューイヤー・コンサートで、ふだん振りなれていない方々のワルツを聴くよりは、

大町さんと九響のほうが、
ずっと味わい深い演奏を聴かせてくれていると思います。

2011年7月25日月曜日

スメタナ四重奏団のベートーヴェン:弦楽四重奏曲第14番

スメタナ四重奏団のベートーヴェン、
7枚目は第14番です。



ベートーヴェン
弦楽四重奏曲 第14番 嬰ハ短調 作品131
弦楽四重奏曲 ヘ長調 Hess34
(ピアノ・ソナタ ホ長調 作品14-1の編曲)


スメタナ四重奏団
イルジー・ノヴァーク(第1ヴァイオリン)
ルボミール・コステツキー(第2ヴァイオリン)
ミラン・シュカンパ(ヴィオラ)
アントニーン・コホウト(チェロ)


録音:1984年7月18~25日(14番)
   1985年6月13~20日(Hess34)
プラハ、ルドルフィヌム(芸術家の家)、ドヴォルザーク・ホール


スプラフォンとの共同制作
【COCO-70681】

第12・13番と、後期に入ってからの2曲は、
多々すばらしい部分が聴かれたものの、
全体のバランスとして、少々首を傾げたくなる所がありました。

しかしさすがベートーヴェン。
第14番に至ってようやく、枯れた味わいの中にも、
不思議な統一感をもつ、晩年独特の、静けさに満ちた深みのある音楽を完成させたと思います。

初期のものとも、中期のものとも明らかに違った作風ですが、
聴いてすぐに惹きこまれ、あっという間に終わっていました。

これは名曲だと思います。


Hess34は、ピアノ・ソナタの編曲です。
原曲からして、それほど深刻にならない、軽めの楽しい一曲です。

さて、いよいよあと1枚、第15・16番を残すのみとなりました。
ベートーヴェンが最後にたどりついた境地を楽しみたいと思います。

2011年7月22日金曜日

小林研一郎&チェコ・フィルのベートーヴェン:交響曲第1・7番



ベートーヴェン
交響曲 第1番 ハ長調 作品21
交響曲 第7番 イ長調 作品92


チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
小林研一郎(指揮)


2011年4月14~16日、
プラハ、ルドルフィヌム、ドヴォルザーク・ホールにてライブ収録。
【OVCL-00445】

コバケンさんのベートーヴェンが良くなってきたのは最近のことです。

かつては、ベートーヴェンやブラームスになると、
CDでは響きが耳にうるさく、あまり楽しめなかったのですが、

60代後半に2度、大晦日に、交響曲全9曲を取り上げたあたりから、
響きにぐっと深みを増してきて、すばらしい演奏が聴かれるようになったと思います。


第3番、第2・5番と聴いてきて、
今回の第1・7番はさらに輪をかけて素晴らしい仕上がりとなりました。

コバケンさんのベートーヴェンは、
古楽器風の新しい奏法に組みすることなく、
真正面から楽譜を読み込んで、昔ながらのオケの響きを重視して、
真摯に音楽を紡いでいく正攻法。

第3番では少々力が入り過ぎている感もあったのですが、
第2・5番はうまく力がぬけて、音楽的な、歌にあふれた演奏になっていました。

今回の第1番は、第2番と同じ路線。
かつてのブルーノ・ワルターを思い出しましたが、私はこちらのほうが好きです。


第7番は、驚きました。
ここまで立派な、しかし音楽的な演奏は聴いたことがありません。
やわらかい歌にあふれながら、
全体の構成感も揺るぎないのは流石です。

第5番のときの立派さに、
第3番のときの意志の強さをかけ合わせたような、
めったに聴かれない第7になりました。

今年の秋に第4・8番を取り上げて、
あとは第9を残すのみとなるはずなので、
ぜひとも完結させていただきたいです。

欲をいえば、
この成果をもとに、日本のオーケストラとも、
さらなる高みに達したベートーヴェン全集を作ってほしいな、
と願っております。

2011年7月20日水曜日

小林研一郎&日本フィルのマーラー:交響曲第9番

山田一雄さんのを聴いて、久しぶりに、
小林研一郎さんの第9を聴き直してみました。



マーラー:交響曲第9番二長調


日本フィルハーモニー交響楽団
小林研一郎(指揮)


〔録音〕2007年1月25、26日 東京・サントリーホールにてライブ収録。
【OVCL00278】


マーラーの第9で私が好きなのは、

バーンスタイン&アムステルダム・コンセルトヘボウ管(1985年)
ワルター&ウィーン・フィル(1938年)

の2つの録音で、それにつぐのがコバケンさんと日本フィルの演奏でした。
改めて聴き直してみて、やはり別格のすばらしさだなあ、と感動しなおしました。


コバケンさんと日本フィルのマーラーは、
他にも第1・2・3・5・7・8番がCD化されていますが、
オケの完成度が一番高いのが、この第9番です。

あるいは初めてこの曲を取り上げたこともあって、
よい意味で少し力が抜けていたのかもしれませんが、
ほかのCDよりも、オケがよく響いているように感じられます。

以前は曲に没入し過ぎるからか、
オケが音楽的というよりは暴力的に響くことがあって、
とくに日本のオケを振るとき、その欠点が感じられたのですが、

このマラ9を取り上げたころから、
コバケンさんのオケの響かせ方が変わってきたように思われます。


最近は、
チェコ・フィルとのベートーヴェン交響曲全集に取り組まれ、
新たな境地を聴かせてくれているので、

今後とも大いに期待したい指揮者です。

2011年7月15日金曜日

ギーゼキングのモーツァルト:ピアノ・ソナタ 第6~9番

ギーゼキングのモーツァルト、
2枚目です。



モーツァルト
ピアノ・ソナタ 第6番 二長調 K.284 《デュルニッツ》
ピアノ・ソナタ 第7番 ハ長調 K.309
ピアノ・ソナタ 第8番 イ短調 K.310
ピアノ・ソナタ 第9番 ニ長調 K.311
ワルター・ギーゼキング(ピアノ)

録音:1953年8月2~4日
Abbey Road Studios, London
【TOCE14199】


オーソドックスな名演奏。

少し無骨な面もありますが、
造形をしっかり保った上で、
曲の内面にもほどほどに踏み込んだ、
模範的なモーツァルトです。

ただし、
聴きなれた曲だからか、
或いは録音の加減なのか、
ほんの少しだけ、何か私の心に届いてこない側面がありました。

私の聴きちがいかもしれません。

モーツァルトは、
これだから難しい。
3枚目で、持ち直されているといいな。

※8/1 改めて聴き直してみると、
はじめの第6番だけ、わずかに音質が劣っているようで、
あと一歩、心に届いて来ないところがあるようです。
第7~9番は、そんなことなく、前の第1~5番と同じように感動できました。

2011年7月14日木曜日

山田一雄&新日本フィルのマーラー:交響曲第9番

話題の1枚、先週購入して、
数回聴いた上での感想です。



マーラー:交響曲 第9番 二長調

山田一雄(指揮)
新日本フィルハーモニー交響楽団
録音:1986年6月7日、東京文化会館
【FOCD9525/6】



ヤマカズさんらしく、
マーラーへの共感に満ちた演奏です。

棒が空回りするようなところもなく、
心持ちゆっくりめのテンポで、
マーラーのスコアを丁寧に表現しているところは共感が持てます。

ただし、遅めのテンポで、
若干間がもたないというか、
曲の全体像がわかりにくくなる一面もあるようです。

オケの響きも、80年代の新日本フィルの
最上のものが引き出されていると思いますが、
オケの豊穣な響きを楽しめるところまでは行っていません。

十分満足する内容でしたが、
思い出したのがコバケンさんと日本フィルの演奏。
最近聴いていなかったので、聴き直してみようと思います。

ヤマカズさんのマーラー(CD&DVD)は、
ベストが京都市響との《復活》、
次点がN響との第5番、
で、今回の第9番はそれにつぐものになりそうです。

2011年7月13日水曜日

スメタナ四重奏団のベートーヴェン:弦楽四重奏曲第13番と《大フーガ》

スメタナ四重奏団のベートーヴェン、
ようやく6枚目、《大フーガ》にたどり着きました。



ベートーヴェン
弦楽四重奏曲 第13番 変ロ長調 作品130
 Ⅰ- Adagio ma non troppo - Allegro
 Ⅱ- Presto
 Ⅲ- Andante con moto ma non troppo
 Ⅳ- Alla danza tedesca. Allegro assai
 Ⅴ- Cavatina. Adagio moltp espressivo


 Ⅵ- 弦楽四重奏のための大フーガ 変ロ長調 作品133
Overtura.Allegro - Meno mosso e moderato
-Allegro - Allegro molto e con brio


 Ⅵ- Finale. Allegro [New Finale]


スメタナ四重奏団
イルジー・ノヴァーク(第1ヴァイオリン)
ルボミール・コステツキー(第2ヴァイオリン)
ミラン・シュカンパ(ヴィオラ)
アントニーン・コホウト(チェロ)


録音:1982年6月&9月
プラハ、スプラフォン・スタジオ


スプラフォンとの共同制作
【COCO-70681】


《大フーガ》作品133は、
もともと第13番 作品130の第6楽章として書かれたものです。

初演後、出版社の提案を受けて、
新たな第6楽章が書き下ろされたため、
作品133として独立することになりました。

このCDでは、
オリジナルなかたちを尊重した曲順になっています。
(幸松肇さん、ライナーノート参照)


さて、聴いてみた感想ですが、
第12番からひきつづいて、少し曲としてのまとまりが悪いような印象を受けました。


第11番《セリオーソ》までに、
曲の形式を極めつくしてしまったからでしょうか、
次の階段に上がるための、試行錯誤がにじみ出ているようで、
曲のそこかしこに、これまで聴かれなかった新しい響き、深みを感じるのですが、
全体として、取りとめのないような印象が残りました。


第5楽章「カヴァティーナ」は絶品です。
《大フーガ》もすごい深い曲です。
新・第6楽章も、《大フーガ》とはまったく方向性がちがいますが、
楽しい名曲だと思います。
ただ全体としての曲のまとまりが、少し弱いように感じました。


では次は、
7枚目、第14番に進みます。

2011年7月12日火曜日

はいだしょうこ『みんなでうたう童謡・唱歌』2

とても暑いので、
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲は少しペースダウン。
はいだしょうこさんの童謡・唱歌、
CD2枚目です。



みんなでうたう童謡・唱歌
おもちゃのチャチャチャ~故郷

1. おもちゃのチャチャチャ〔作詞:野坂昭如 /作曲:越部信義〕
※子供コーラス:てらもとあやみ・なかむらまりん
2. おつかいありさん 〔作詞:関根栄一 /作曲:團伊玖磨〕
3. 誰も知らない 〔作詞:谷川俊太郎/作曲:中田喜直〕
4. 赤い鳥小鳥 〔作詞:北原白秋 /作曲:成田為三〕
5. 十五夜お月さん 〔作詞:野口雨情 /作曲:本居長世〕
6. サッちゃん 〔作詞:阪田寛夫 /作曲:大中恩〕
7. 北風小僧の寒太郎 〔作詞:井出隆夫 /作曲:福田和禾子〕
8. やぎさんゆうびん 〔作詞:まど・みちお/作曲:團伊玖磨〕
9. もんく 〔作詞:小林純一 /作曲:中田喜直〕
10. ぞうさん 〔作詞:まど・みちお/作曲:團伊玖磨〕
11. どんぐりころころ 〔作詞:青木存義 /作曲:梁田貞〕
12. 雨降りお月さん 〔作詞:野口雨情 /作曲:中山晋平〕
13. 証城寺の狸囃子 〔作詞:野口雨情 /作曲:中山晋平〕
14. おはながわらった 〔作詞:保富庚午 /作曲:湯山昭〕
15. 砂山 〔作詞:北原白秋 /作曲:中山晋平〕
16. とんぼのめがね 〔作詞:額賀誠志 /作曲:平井康三郎〕
17. かごめかごめ 〔わらべうた〕
18. まっかな秋 〔作詞:薩摩 忠 /作曲:小林秀雄〕
19. しずかにしてね 〔作詞:こわせ・たまみ/作曲:中田喜直〕
20. 故郷 〔作詞:高野辰之 /作曲:岡野貞一〕

うた:はいだしょうこ
伴奏:プラチナアンサンブル

編曲:馬飼野康二

録音日時;不明
発売:2009年9月
【PCCG-01010】


こちらは、より子ども向けな感じで、
最初少し違和感がありましたが、もともとTV番組で、
子供さんの心をがっちりつかんできた方なので、

2,3回聴いているうちに、
こちらがのせられて、楽しんで聴くことができました。

「おつかいありさん」「さっちゃん」「まっかな秋」

は改めて、いい曲だなあ、と思い直しました。

「誰も知らない」「やぎさんゆうびん」「もんく」

のユーモラスな感じも秀逸ですし、

「赤い鳥小鳥」「十五夜お月さん」「ぞうさん」「どんぐりころころ」

と書き出していると、
どれも丁寧によく歌い込まれていて、
惚れ惚れする歌声だと思いました。

最後の「故郷」は、
さらりとしかし心を込めた名唱です。

2011年7月4日月曜日

はいだしょうこ『みんなでうたう童謡・唱歌』1

最近のお気に入りです。



みんなでうたう童謡・唱歌
めだかの学校~夕焼けこやけ

1.めだかの学校 〔作詞:茶木滋 作曲:中田喜直〕
2.春が来た 〔作詞:高野辰之 作曲:岡野貞一〕
3.手のひらを太陽に 〔作詞:やなせたかし 作曲:いずみたく〕
4.朧月夜 〔作詞:高野辰之 作曲:岡野貞一〕
5.しゃぼん玉 〔作詞:野口雨情 作曲:中山晋平〕
6.赤い靴 〔作詞:野口雨情 作曲:本居長世〕
7.あめふりくまのこ 〔作詞:鶴見正夫 作曲:湯山昭〕
8.もみじ 〔作詞:高野辰之 作曲:岡野貞一〕
9.おはなしゆびさん  〔作詞:香山美子 作曲;湯山昭〕
10.チューリップ 〔作詞:近藤宮子 作曲:井上武士〕
11.夏は来ぬ 〔作詞:佐々木信綱 作曲:小山作之助〕
12.かもめの水兵さん 〔作詞:武内俊子 作曲:河村光陽〕
13.うれしいひなまつり〔作詞:サトウハチロー 作曲:河村光陽〕
14.おかあさん 〔作詞:田中ナナ 作曲:中田喜直〕
15.里の秋 〔作詞:斉藤信夫 作曲:海沼実〕
16.雪 〔作詞・作曲者不詳〕
17.たき火 〔作詞:撰聖歌 作曲:渡辺茂〕
18.七つの子 〔作詞:野口雨情 作曲:本居長世〕
19.ゆりかごのうた 〔作詞:北原白秋 作曲:草川信〕
20.夕焼けこやけ 〔作詞:中村雨紅 作曲:草川信〕

うた:はいだしょうこ
プラチナアンサンブル
編曲:馬飼野康二

録音日時:不明
発売:2009年7月【PCCG01001】




童謡・唱歌には少しこだわりがあります。

シンプルでわかりやすく、皆が想い入れのある歌を、
誰もが楽しめるように聴かせることは、意外に難しいものです。

曲がシンプルなだけに、
生半可な歌唱力の持ち主が、勢いだけで聴かせようとしても、
粗が目立ってとても聴いていられません。
そうかといって、クラシック調に、あまり朗々と歌われても、
童謡らしくなく、かえって興ざめなところがあります。


最近、
はいだしょうこさんの歌声に触れ、
その圧倒的な歌唱力に魅せられました。

この声で童謡・唱歌を入れてくれたらいいのにな、
と思って調べてみると、童謡・唱歌を、
すでにCD5枚分も録音されていることがわかり、
まずは1枚、購入してみました。


ほぼ理想的な内容です。
私は「朧月夜」と「もみじ」が大好きです。
「夏は来ぬ」「七つの子」「夕焼けこやけ」も名唱だと思います。

また、これまでそれほど好きではなかった
「赤い靴」「里の秋」も、彼女の歌で、好きな曲になりました。

編曲は、
私にはもっとシンプルで良かったのですが、
恐らく子どもさん向けのCDだからでしょう、
はいださんの長所をかき消さない程度に、
センスの良い編曲に仕上がっています。

童謡・唱歌のCDは、意外に良いものがないのですが、
これはお薦めです。
他の4枚も、順に聴いていこうと思います。

2011年7月1日金曜日

スメタナ四重奏団のベートーヴェン:弦楽四重奏曲第11・12番

スメタナ四重奏団によるベートーヴェン:弦楽四重奏曲、
今週はCD5枚目は、第11番《セリオーソ》と第12番です。



ベートーヴェン
弦楽四重奏曲 第11番 ヘ短調 《セリオーソ》 作品95
弦楽四重奏曲 第12番 変ホ長調 作品127

スメタナ四重奏団
イルジー・ノヴァーク(第1ヴァイオリン)
ルボミール・コステツキー(第2ヴァイオリン)
ミラン・シュカンパ(ヴィオラ)
アントニーン・コホウト(チェロ)

録音:1981年6月4~11日、プラハ、芸術家の家、ドボルザーク・ホール
スプラフォンとデンオンの共同制作
【DENON / COCO-70680】


11番《セリオーソ》

聴いてすぐ、
かっこいい!
と思っている間に
どんどん曲が展開して、
感動のうちに聞き終えていました。

中期の曲の中では、
7番《ラズモフスキー第1番》についで好きな曲になりそうです。

12番は、
前のから十数年をへて手がけたもので、
ここから後期に入るそうです。

ただし、聴いてすぐ、
後期に変わったことがわかる風ではありません。

さらにいえば、
「皇帝」を思わせる出だしや、
幻想的な第2楽章と、聴くべき響きの瞬間は多いのですが、
曲全体として、今ひとつつかみどころがないような、
わかり難さがありました。

今後、
印象の変化は当然あるでしょうが、
1週間では、つかみどころのなさが少し残りました。

さて次は、第13番と《大フーガ》ですが、
まだこれ、手に入れていません。

週末に買いに出かけましょうか。