去る2月5日(日)に、名古屋市東区にあるヤマザキ マザック美術館まで、展覧会「パリに生きた画家たち マルケ、ユトリロ、佐伯祐三、荻須高徳が見た風景」を見に行って来ました。見る前は、誰か一人に絞った方がと思っていたのですが、ほぼ同じ時代を生きた画家たちによる、同じ街で描かれた絵画がズラリと並んでいて、4者の個性の違いをかえって強く感じ取ることができました。正月にかけて色々見てきた中で、一番楽しめました。
アルベール・マルケ(Albert Marquet, 1875年3月26日~1947年6月13日)
モーリス・ユトリロ(Maurice Utrillo, 1883年12月26日~1955年11月5日)
佐伯祐三(さえきゆうぞう 1898年4月28日~1928年8月16日)
荻須高徳(おぎすたかのり 1901年11月30日~1986年10月14日)
彼らのうち、前からある程度見ていたのはユトリロのみ。そのユトリロも良かったのですが、強烈な個性を放っていたのは後半の二人の日本人のほう。とくに荻須高徳は20点余り展示されていて、初めて彼の良さを感じ取ることができました。割りと近くに稲沢市荻須記念美術館があるにも関わらず、一度も訪れたことがなかったので、今後注目していこうと思いました。佐伯祐三の作品は8点。早世されたからかスタイルが定まっていない感じもありますが、放出されるエネルギーに圧倒されました。とくに
23《プティ・レストラン》1927年
は絶品。またどこかでお目にかかりたい。
この2人のあとで改めてユトリロ10点を眺めてみると、強烈な個性を前に押し出すタイプではないので多少分が悪い。またいずれ、ユトリロだけを取り上げた展覧会でお目にかかりたいものです。マルケはこれまで全く注目して来なかったのですが、今回7点まとめて眺めたことで、どんな作風か初めて理解できました。
荻須高徳の良さを発見できた点、今回は自分にとってありがたい機会になりました。
帰りに図録を購入して家路につきました。それほど大部なものではありませんが、展示された作品はほぼ収録されており、4人の個性の違いを感じ取れるよくまとまった図録となっていました。ヤマザキマザック美術館主任学芸員 吉村有子氏の手腕に感服。
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