2013年2月11日月曜日

バルシャイ&ケルン放送響のショスタコーヴィチ:交響曲全集 その2

ロシア出身の指揮者
ルドルフ・バルシャイ(1924.8-2010.11)が

68歳から76歳にかけて(1992.9-2000.9)、
ドイツのケルン放送交響楽団と録音した

ロシアの作曲家
ドミートリイ・ショスタコーヴィチ
(1906.9-1975.8)の交響曲全集
2枚目を聴きました。


ショスタコーヴィチ
交響曲 第4番 ハ短調 作品43

ケルン放送交響楽団
ルドルフ・バルシャイ(指揮)

録音:1996年4月16日-24日、10月24日、フィルハーモニー、ケルン
【BRILIANT 6324-2】


交響曲第4番ハ短調作品43 は、

29歳のときに作曲され(1935.9-1936.5)、
30歳のときに初演が予定されていましたが(1936.12)

1936年1月に、
ソ連共産党中央委員会機関紙『プラウダ』誌上で、
ショスタコーヴィチ個人への批判が行われたことから、
身に危険を感じ、初演を撤回したエピソードがよく知られています。

 ソ連共産党に批判されたということは、
 粛清(殺害 or シベリア送り)の危機にあったと推測するのが穏当なのでしょう。

そのため初演は遅れ、
25年後の1961年12月に行われています。


  ***

第4番は、
サイモン・ラトル指揮/バーミンガム市交響楽団
CD(1994年7月録音)が出たときに、

宇野功芳氏が絶賛していたのにひかれて購入し、
くり返し聴きました。


美しく楽しくわかりやすい音楽、ではないので、
はじめはわけが分からなかったのですが、

不思議と心にひっかかるところもあって、
聴き返しているうちに結構お気に入りの曲になりました。


今回バルシャイさんの指揮で聴き直してみると、

これはドイツのオケを振っているからかもしれませんが、
ラトルさんよりも一音一音踏みしめる感じがあって、

かといって野暮ったくなる程ではなく、
全体として楽譜の意味がよくわかる演奏に仕上がっていると思いました。


ラトル盤のときには、
まだ若干無理して聴いていたところもあったのですが、

耳がこの曲にだいぶ慣れてきたのか、
今回は不思議な心地よさを感じながら、
演奏を楽しむことができました。

モーツァルトや、
ハイドンのような美しさからは程遠いはずなのですが、

現代人の複雑に入りくんだ精神にとって、
どこか心地よく作用する部分があるようです。


まだまだこれから様々な名演が生まれて来そうですが、

もしライブでこの演奏が聴けたら、
十分満足できるレベルです。


※Wikipediaの「ルドルフ・バルシャイ」
「ドミートリイ・ショスタコーヴィチ」
「交響曲第4番(ショスタコーヴィチ)」
「プラウダ批判」を参照。

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