2013年4月27日土曜日

Sir Adrian Boult conducts Elgar その2

イギリスの指揮者
エイドリアン・ボールト(1889.4-1983.2)による、

イギリスの作曲家
エドワード・エルガー(1857.6-1934.2)の録音集2枚目は、
交響曲第2番《子供の魔法の杖》第1組曲です。


エルガー
交響曲第2番 変ホ長調 作品63
《子供の魔法の杖》第1組曲 作品1a

フィルハーモニック・プロムナード管弦楽団〔交響曲〕
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団〔組曲〕
エイドリアン・ボールト(指揮)
録音:1956年(交響曲)、1953年(組曲)
【Regis RRC5010】


交響曲第2番 変ホ長調 作品63 は、

第1番の初演から2年半をへて、
1911年5月(エルガー53歳)に初演された交響曲です。

イギリス国王エドワード7世に献呈されるはずだったのが、
1910年5月に国王が崩御されたため、
その追悼に捧げられたそうです。

エルガーの交響曲第2番は、
めったに聴く機会がないこともありますが、
第1番よりもわかりにくい印象があって、
ほとんど聴いて来なかったのですが、

ボールトさんならばと期待して聴いてみました。

初めに聴いたときは、
つかみどころがない感じがして、
何だかよくわからないままだったのですが、

演奏自体は強い共感に導かれたものでしたので、
2度、3度と聴き込むうちに、

第2楽章→第4楽章→第3楽章→第1楽章

の順で耳になじんで来ました。


第2楽章「ラルゲット」は、
交響曲第1番の第3楽章「アダージョ」と同じ傾向の名曲で、
威厳に満ちた濃い内容は、こちらの方が上のようにも思いました。

ただ第1楽章は、
それほど耳になじみやすい旋律もなく、
しばらく聴き込んだあとでも、飛び切りの名曲であるようには思えませんでした。

これは国王エドワード7世に献呈すべく作曲されたことが影響しているようにも感じました。

王室に対する尊敬の念、
威厳、近づきにくさといった独特の感情が、
反映されているように感じました。

第2楽章の印象的なティンパニの打ち込みは、
ベートーヴェンの「英雄」交響曲を連想しました。

イギリス的な「英雄」交響曲として聴くと、
これまでよりこの曲を身近に感じることができました。

今後ぜひ、他の録音も聴いてみたいと思っています。



《子供の魔法の杖》第1組曲 作品1a は、

少年時代に作曲した劇附属音楽のスケッチをもとに、
エルガーが50歳のとき(1907年)に完成、初演された管弦楽のための組曲です。
翌1908年には第2組曲がまとめられ、初演されました。

これは確かに、
CD1で聴いた組曲《子供部屋》よりも
曲想が若々しい感じがしますが、

50歳を過ぎてまとめ直されているからか、
つたない感じはまったくなく、

チャイコフスキーの《くるみ割り人形》を、
品良く、イギリス風に仕立て直した風で、
それなりに楽しむことができました。

コンサートで頻繁に取り上げられるには、
より一層の個性が必要かもしれませんが、

エルガーの交響曲などと組み合わせたら、
おもしろいと思いました。



※Wikipediaの
「エドワード・エルガー」
「エルガーの楽曲一覧」
「子供の魔法の杖」
「エイドリアン・ボールト」
「Adrian Boult discography」の項目を参照。

0 件のコメント:

コメントを投稿