2015年2月20日金曜日

福島章恭&愛知祝祭管のブルックナー:交響曲第8番(2014年録音)

合唱指揮者(兼音楽評論家)の
福島章恭(ふくしまあきやす 1962-)氏の指揮する
2005年設立のアマチュア・オーケストラ
愛知祝祭管弦楽団の演奏で、

ブルックナーの交響曲第8番を聴きました。

指揮者52歳の時(2014.10)の録音です。

ブルックナー:交響曲第8番、バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲、他 福島章恭&愛知祝祭管、古井麻美子、清水里佳子(2CD)

愛知祝祭管弦楽団/福島章恭/ブルックナープロジェクト vol.1

1) R.ワーグナー
 楽劇《ニュルンベルクのマイスタージンガー》第1幕への前奏曲
  愛知祝祭合唱団・オルガン/中村詩穂

2) J.S.バッハ
 2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調 BWV1043
  ヴァイオリン/古井麻美子 清水里佳子

3) A.ブルックナー
 交響曲第8番ハ短調(ハース版)

指 揮 /福島章恭
管弦楽/愛知祝祭管弦楽団
録音:2014年10月26日、愛知芸術劇場コンサートホール(ライブ)
【OAF1410 2CD】


地元愛知の公演だったので聴きに行きたかったのですが、
仕事の都合で行けなかったコンサートのライブCDです。

福島氏の指揮はYouTubeで、
ロ短調ミサ曲の終結部をふるのを観て感銘を受け、
オーケストラ曲を指揮したらどうなるのだろうと思っていました。


CDを聴いてみると、
一番成功していたのはバッハの二重協奏曲でした。

古楽器奏法でない通常の奏法を用いながら、
自然な響きの中に美しい旋律があふれ出て、

初めて聴く幻想的な
ヘルメスベルガーのカデンツァともども、
二重協奏曲の魅力に浸ることができました。


このバッハに比べるとブルックナーは、
たいへんユニークであるけれども残念ながら、
あまり楽しめない演奏でした。

楽しめなかった理由の大部分は、
遅めのテンポ設定にあります。

遅いとはいっても、
すべてのフレーズを均一的に遅くしているわけではなく、

速めのところは普段どおりで、
遅めのところのみ噛みしめるようにじっくり進めているので、

間延びし過ぎて全然聴けない演奏というわけではありません。


速さの感覚は、
実演では気がつきにくいものなので、
実演のときにはふつうに聴こえていた可能性もありますが、

CDで聴く分には、若干間延びした感じがあって、
聴きとおすのに多少のがまんが必要でした。

基本的に、響き重視の指揮なので、
個々の旋律の響きにひたり切っているうちに、
全体が間延びしてしまった感じでしょうか。


ほかに目立った欠点が見当たらないだけに、
全体のテンポ設定のミスは痛かったと思います。

あとほんの少し速めのテンポなら、
「響きのユニークな、福島流ブルックナーの登場!」
と書いていたところです。


もう一つ独特だったのは、
福島氏が創り出すオケの響きです。

合唱指揮の経験によるものなのか、
ふわふわした感じのつかみどころがない、
芯のない響きが特徴的で、

きっちりと拍を刻みこんでいくタイプの
(ふつうの)指揮者からは聴こえない、
ユニークなオケの響きを聴くことができました。


指揮に力が入り過ぎて、
威圧的だったり暴力的だったり粘着的に聴こえるところが皆無なので、

まだまだ荒削りだけれども、

構成面での弱点が克服できれば、
変幻自在で深遠な福島氏ならではのブルックナーが実現するのではないかと、

今後に期待させられる一枚となりました。


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