2016年5月9日月曜日

ユボーのフォーレ:ピアノ作品全集 その3

フランスのピアニスト
ジャン・ユボー(1917-1992)が
71-72歳のときに録音した

フランスの作曲家
ガブリエル・フォーレ(1845.5-1924.11)の
ピアノ曲全集(CD4枚)

CD3枚目を聴きました。
舟歌全13曲が収められています。


フォーレ
ピアノ作品全集第2集より

CD1
舟歌 第1番 イ短調 作品26(1881年頃)※36歳
舟歌 第2番 ト長調 作品41(1885年)※40歳
舟歌 第3番 変ト長調 作品42(1885年)※40歳
舟歌 第4番 変イ長調 作品44(1886年)※41歳
舟歌 第5番 嬰ヘ短調 作品66(1894年9月)※49歳
舟歌 第6番 変ホ長調 作品70(1895年頃)※50歳
舟歌 第7番 ニ短調 作品90(1905年8月)※60歳
舟歌 第8番 変ニ長調 作品96(1905-06年)※60歳
舟歌 第9番 イ短調 作品101(1908-09年)※63歳
舟歌 第10番 イ短調 作品104-2(1913年8-10月)※68歳
舟歌 第11番 ト短調 作品105(1913-14年)※68歳
舟歌 第12番 変ホ長調 作品106(1915年8-9月)※70歳
舟歌 第13番 ハ長調 作品116(1921年2月)※76歳

ジャン・ユボー(ピアノ)
録音:1988年10月-89年4月、アル・アディアール、パリ
【WPCS-10984/5】2001年発売

全集の第1集(CD1・2)から少し時間が空きました。

その間に、
安さにひかれて輸入盤(2008年発売)の全集を買って、
そちらで続きを聴くつもりだったのですが、

国内盤に比べて音の芯が抜け落ちている印象で、
こんな演奏ではなかったはず、
と思っているうちにフォーレから遠ざかっていました。



今年の春に、
2001年発売の国内盤の第2集(CD3・4)を買い直し、
聴き直してみたところ、以前の記憶が甦りました。

ユボーのフォーレ:ピアノ曲全集は
ほかにも何種類か出ていますが、
2001年発売の国内盤は安心の音質です


  ***

生涯にわたって13曲も
舟歌と呼ばれる作品を作曲したのはフォーレだけです。

夜想曲以上に、
フォーレの個性が色濃く出された作品群といえるのかもしれません。

ショパンにも
舟歌(嬰ヘ長調 作品60/1846年作曲)がありますが、1曲だけ。

まとめて聴くのは初めてのことで、
初めのうちはどれも似たような曲に聴こえましたが、

ほんわかとゆらゆら小舟にゆられている心持ちで、
何度か聴き通しているうちに、

ああこれが舟歌かと納得できるところがありました。

半年余りただ聴き流してきただけでは、
まだまだどれが何番なのかよくわからない状態なのですが、

全13曲で1時間近く、
明るく穏やかな空間が醸し出されていくのを、
ふつうに楽しめるようになりました。

夜想曲のように、
わかりやすいメロディはそれほどないので、
コンサートで全13曲を続けて弾いて、
飽きずに聴かせるのは困難なように思われますが、

CDで聴く分には、
春の夜長のBGMとして最適な音楽が流れていきました。

ユボーさんの演奏、
私にはテンポがとても自然に感じられます。

あまり速いと、心にひっかかることなく、
さらさら流れていってしまいますが、
あまりに遅いのも、ゴツゴツした印象で興ざめしてしまいます。

絶妙なテンポ感のもと、
和声の魅惑的なゆらぎに心動かされる
ユボーさんのフォーレ、

あと1枚分残っていますので、
聴き進めたいと思います。


※Wikipediaの「ガブリエル・フォーレ」「フォーレの楽曲一覧」「ジャン・ユボー」の各項目を参照。

0 件のコメント:

コメントを投稿