2017年12月4日月曜日

インバル&フランクフルト放送響のマーラー:交響曲第9・10版(1986年録音)

イスラエルの指揮者
エリアフ・インバル(Eliahu Inbal, 1936年2月- )の指揮する

ドイツのオーケストラ
フランクフルト放送交響楽団
(2005年にhr交響楽団に改称)の演奏で、

オーストリア帝国の作曲家
グスタフ・マーラー(1860.7-1911.5)の
交響曲第9番&第10番~アダージョを聴きました。

指揮者50歳の時(1986年9月)の録音です


グスタフ・マーラー
①交響曲第9番
②《アダージョ》~交響曲第10番

 エリアフ・インバル(指揮)
 フランクフルト放送交響楽団

録音:1986年9月24-27日、フランクフルト、アルテ・オーバー
【COCO-73282/3】2012年6月発売。

交響曲第9番は、
マーラー49歳から50歳にかけて
(1909年-10年)作曲されました。

初演は没後1年をへた1912年6月に、
ブルーノ・ワルターの指揮する
ウィーン・フィルによって演奏されました。

第10番は第9番の完成後、
1910年に作曲がはじめられたものの、
1911年5月に亡くなったため、未完のまま残されました。

全5楽章の略式総譜
(オーケストレーション前の4、5段の楽譜による総譜)
は最後まで完成されたものの、

オーケストレーションは、
 第1楽章はそのまま演奏できるレベルまで完成、
 第2楽章は一部に不備があるもののほぼ完成、
 第3楽章は最初の30小節目まで一応完成されるという状態でした。

マーラー本人は、
このスケッチを破棄するように伝えましたが、
夫人アルマがこれを保管していたため、
1924年に初めて写真版が公表され、
同年10月に第1・3楽章の初演が行われました。


  ***

さて肝心の演奏ですが、

これまで第3・4・5・6・7・8番と
《大地の歌》を聴いてきた中で、

この第9番のみは、
なぜか全体的にオケのまとまりが悪く、
燃焼度の低い、中途半端な演奏で、
名演には程遠い仕上がりになっていました。

まさかと思い、
何度か聴き直したのですが、
この第9番のみは指揮者の消化不足な印象が残る、
あまり面白くない演奏が展開されていて、
最後まで聴き通すのが苦痛でした。

この時だけ、
オケの調子が悪かったのかもと思いましたが、
同じ時に録音された第10番のほうは、
ふつうに情感のこもった、
インバルの意図がよくわかる演奏だったので、

第9番のみ、
指揮者の解釈にまだ迷いがあったのかもしれません。

まだ聴いていない第1・2番のCDのなかにも、
もしかしたら今一のものがあるかもしれないので、
そちらを聴いてから、
もう一度、第9番に戻って来ようと思います。



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