十代目柳家小三治(1939.12 - )の落語CD、
16枚目「鼠穴(ねずみあな)」を聴きました。
小三治47歳の時(1987.10)の口演です。
落語名人会40
柳家小三治16
「鼠穴(ねずみあな)」
録音:1987年10月31日、
鈴本演芸場、第8回柳家小三治独演会
〔お囃子〕植田ひさ/小口けい
【SRCL-3582】
「鼠穴(ねずみあな)」というお噺、
6代目三遊亭圓生(1900-1979)得意の演目だそうですが、
私はこのCDで初めて聴きました。
小三治さんも
「圓生師匠のままですけどね」と仰られていたそうですが、
もとは上方の人情噺であったものが、
3代目三遊亭圓馬(1882-1945)によって東京に伝えられ、
圓馬から5代目立川ぜん馬(1885-1960)を介して、
圓生(1900-1979)へと伝えられたお噺だそうです。
(京須偕充氏のCD解説を参照)
あらすじもわからぬまま
聴きはじめたわけですが、
兄弟のもともと冷めた間柄が、
お金が絡んでよりいっそうどろどろしていくお噺は、
お腹を抱えて笑うでもなく、
親子愛、兄弟愛にほろりと涙するわけでもなく、
いったいどこを楽しめば良いのだろう、
と思いました。
小三治さんの口演自体は、
迫真に迫った非の打ち所のないもので、
その点かえって精神的に追いつめられるようなところがあって、
確かにこれは、
圓生さんのように、
あとほんの少し飄々としたところがあった方が、
肩の力をぬいて楽しめるように思いました。
まだ圓生さんのは聴いていないので、
近々耳にしてみたいと思います。
※柳家小三治
「鼠穴」87-10/31◯
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