2011年6月15日水曜日

ギーゼキングのモーツァルト:ピアノ・ソナタ 第1~5番



モーツァルト
ピアノ・ソナタ 第1番 ハ長調 K.279
ピアノ・ソナタ 第2番 ヘ長調 K.280
ピアノ・ソナタ 第3番 変ロ長調 K.281
ピアノ・ソナタ 第4番 変ホ長調 K.282
ピアノ・ソナタ 第5番 ト長調 K.283

ワルター・ギーゼキング(ピアノ)

録音:1953年8月1・2日
Abbey Road Studios, London
【TOCE14198】



モーツァルトのピアノ・ソナタは、楽譜がシンプル過ぎるからか、
なかなか心から楽しめる、納得のいく演奏にめぐり会えないものです。

LP時代によく聴いたのは、
イングリット・ヘブラーさんの全集で、
とてもよい演奏であった記憶がありますが、
ここしばらく復刻されていません。

その後、
宇野功芳さんの導きで、
エリック・ハイドシェック、リリー・クラウス、鳥羽泰子の演奏に親しみました。

ハイドシェックさんの演奏は、
モーツァルトとしては自己主張し過ぎで、
あまり楽しめませんでした。

クラウスさんの演奏は、
演奏以前に録音が良くなくて、評価の対象外でしたが、
最近ようやく音のよいものが出たので、
またゆっくり聴き直したいと思っています。

鳥羽さんの演奏は、
この三者の中では一番聴きやすく、
おすすめの演奏だと思います。

その後、もう少しシンプルな、
古典的な枠組みは守った上で、
じわりと感動させられる味わい深いモーツァルトはないかな、
といろいろ聴いてきましたが、

なかなか良いモーツァルトには出会いませんでした。


そんな中聴いたのがギーゼキングさんのモーツァルト。
これはいいですね。

「奇をてらうことなくシンプルな演奏スタイルを固持しながら、
曲を構成する音符一つ一つが個として独立しながら
全体の情感を作り上げる」(篠田保道)

彼のスタイルが、曲にぴったり寄り添って、
モーツァルトの良いところがそのまま伝わって来ます。

これも1枚ずつ、ゆっくり味わって行こうと思います。

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