2012年11月4日日曜日

ヘブラーのモーツァルト:ピアノ・ソナタ第6-8番(旧盤)

オーストリア出身のピアニスト
イングリット・ヘブラー(1926-)による

オーストリアの作曲家
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)の
ピアノソナタ全集、2枚目を聴きました。


モーツァルト: ピアノ・ソナタ全曲

モーツァルト
ピアノ・ソナタ 第6番 ニ長調 K.284
ピアノ・ソナタ 第7番 ハ長調 K.309
ピアノ・ソナタ 第8番 イ短調 K.310

イングリット・ヘブラー(ピアノ)
録音:1967年6月(第6番)、1964年12月(第7番)、1963年4月(第8番)
【PROC-1201/5】CD2


K.284(第6番)は、
モーツァルトが19歳のとき(1775年)、
デュルニッツ男爵のために作曲した
《デュルニッツ・ソナタ》(全6曲)の最後を締めくくる1曲です。

この1曲のみをさして《デュルニッツ》と呼ぶこともあります。


K.309(第7番)は、
モーツァルトが21歳のとき(1777年)、
母アンナとともにザルツブルグからパリへと向かう
旅の途中で滞在したマンハイムで作曲されました。

CD3に収録の K.311(第9番)も、
ほぼ同時に作曲されたことが確認されています。


K.310(第8番)は、
珍しく短調で書かれた作品で、
1778年7月に母アンナをパリで亡くした
経験が反映されたと推測されていますが、
史料の確証はありません。

K.309~311(第7~9番)のソナタは、
まとめて「作品4」として1781年に
パリで出版されているので、

K.310 もそれまでに作曲されたことは確かです。


第1~6番までは、
モーツァルト10代最後に書かれたソナタ、

第7~9番までは
20代前半に書かれたソナタとして、

まとめて考えることができそうです。


   ***

さて実際に聴いてみると、

第6番と第7番とのあいだに、
それほど明瞭な違いが聴き取れるわけではありませんが、

何となく成長しているようでもあります。


第8番は、明らかに
モーツァルトの内面的な深まりを見せている作品で、
それまでとは異質な世界が描かれているように感じます。

モーツァルトの絶望と孤独とが、
ピアノ・ソナタの簡素な様式の中で、
花開いているように感じました。


ヘブラーのピアノは、
ほんの少し迫力不足に聴こえるところもありますが、

古典の枠をはみ出さない範囲で、
最大限自由に、モーツァルトの楽譜を活かした演奏で、

清楚で典雅な雰囲気の中で、
聴くごとに味わいを増す絶妙な演奏に仕上がっていると思います。


それではCD3へと進みましょう。


※Wikipediaの「ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト」「イングリット・ヘブラー」
 「ピアノ・ソナタ第6番(モーツァルト)」「ピアノ・ソナタ第7番(モーツァルト)」
 「ピアノ・ソナタ第8番(モーツァルト)」の各項目を参照。


※作品の基本情報について、
 ピティナ・ピアノ曲事典「モーツァルト」の項目
 【http://www.piano.or.jp/enc/composers/index/73】を参照。

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