2013年7月25日木曜日

フルトヴェングラー&RAIローマ響のワーグナー:《ニーベルングの指輪》全曲(1953年)


リヒャルト・ワーグナー(1813-1883)
祝祭劇 《ニーベルングの指環》 全曲
フルトヴェングラー&RAIローマ交響楽団
1953年10・11月、ローマ、ライブ録音(モノラル)
【Membran Wallet 233411】13CD

今年の春に、
ヤノフスキ&シュターツカペレ・ドレスデンの《指輪》抜粋盤を聴いて、

いずれ全曲盤を聴こう、と思っていたところ、
フルトヴェングラー&RAIローマ交響楽団による《指輪》全曲盤が
格安(2500円)で手に入ったので、
こちらで聴いてみることにしました。

音質が心配だったのですが、
モノラルのライブ録音であることを考慮すれば、
十分に鑑賞に耐えうるレベルでした。

正直なところヤノフスキ盤の、
極上の音質に親しんだすぐあとでは
かなり聴き劣りしたことも事実なのですが、

ヤノフスキ盤から数ヶ月おいて、
音の記憶がある程度消えてから聴きなおしてみると、
思いのほか面白く、

数ヶ月かけてじっくり聴いていくつもりが、
次から次へと聴き進んで、3週間くらいのうちに全部聴き終えていました。

まだあらすじも良くわかっていない状態ではありますが、
確かにこれは音楽だけでも十分聴き応えのある、
傑作であることは感じ取ることができました。

事前に多少の知識を頭に入れておこうと思い、
堀内修 著『ワーグナーのすべて』(平凡社新書、平成25年1月)
などをひもといてみましたが、

ドイツ人ならばともかく、
日本人である私にとって、とくに興味のわかない内容でした。

しかし音楽は凄いです。

オペラの場合、はじめから
台本の細かい内容にまでこだわろうとすると、
途中で飽きてきて、挫折することが少なくありませんでした。

これからはまず取り敢えず、音だけで楽しんで、
それから台本、原作にさかのぼるのもありかな、と思い直した次第です。

フルトヴェングラーの指揮は、
《指輪》の全体像を見据えた上で、
陶酔的というよりは、音楽的にバランスの取れた、
ほどよく掘り下げられた表現で、

楽譜の読みの深さに感心しつつ、
飽きる間もなく、楽しみながら、全体を聴き通すことができました。
2500円なら十分に満足できる内容でした。

次はヤノフスキ&シュターツカペレ・ドレスデン盤も全曲聴いてみたいと思っています。


リヒャルト・ワーグナー:
《ニーベルングの指環》 序夜と3日の祝祭劇

序夜 《ラインの黄金》 全4場
 ヴォータン : フェルディナント・フランツ
 フリッカ : イーラ・マラニウク
 フライア : エリーザベト・グリュンマー
 フロー : ローレンツ・フェーエンベルガー
 ドンナー : アルフレート・ペル
 ローゲ : ヴォルフガング・ヴィントガッセン
 ミーメ : ユリウス・パツァーク
 エルダ : ルース・スチュワート
 アルベリヒ : グスタフ・ナイトリンガー
 ファゾルト : ヨーゼフ・グラインドル
 ファフナー : ゴットロープ・フリック
 ヴォークリンデ : セーナ・ユリナッチ
 ヴェルグンデ : マグダ・ガボーリ
 フロースヒルデ : ヒルデ・レッスル=マイダン
 RAIローマ交響楽団
 指揮:ヴィルヘルム・フルトヴェングラー
 [録音] 1953年10月26日
 ローマ、アウディトリオ・デル・フォーロ・イタリーコ

第1日 《ワルキューレ》 全3幕
 ジークムント : ヴォルフガング・ヴィントガッセン
 ジークリンデ : ヒルデ・コネツニ
 フンディング : ゴットロープ・フリック
 ヴォータン : フェルディナント・フランツ
 ブリュンヒルデ : マルタ・メードル
 フリッカ : エルザ・カヴェルティ
 ヴァルトラウテ : ダグマー・シュメーデス
 ヘルムヴィーゲ : ユーディト・ヘリヴィック
 オルトリンデ : マグダ・ガボーリ
 ゲルヒルデ : ゲルダ・シュライヤー
 シュヴェルトライテ : ヒルデ・レッスル=マイダン
 ジークルーネ : オルガ・ベニングス
 グリムゲルデ : エルサ・カヴェルティ
 ロスヴァイゼ : イラ・マラニウク
 RAIローマ交響楽団
 指揮:ヴィルヘルム・フルトヴェングラー
 [録音]1953年10月29日(第1幕)、11月3日(第2幕)、11月6日(第3幕)
 ローマ、アウディトリオ・デル・フォーロ・イタリーコ

第2日 《ジークフリート》 全3幕
 ジークフリート : ルートヴィヒ・ズートハウス
 ブリュンヒルデ : マルタ・メードル
 さすらい人 : フェルディナント・フランツ
 ミーメ : ユリウス・パツァーク
 アルベリヒ : アロイス・ペルネルシュトルファー
 ファフナー : ヨーゼフ・グラインドル
 エルダ : マルガレーテ・クローゼ
 森の小鳥 : リタ・シュトライヒ
 RAIローマ交響楽団
 指揮:ヴィルヘルム・フルトヴェングラー
 [録音]1953年11月10日(第1幕)、11月13日(第2幕)、11月17日(第3幕)
 ローマ、アウディトリオ・デル・フォーロ・イタリーコ

第3日 《神々の黄昏》 序幕つき3幕
 ジークフリート : ルートヴィヒ・ズートハウス
 ブリュンヒルデ : マルタ・メードル
 アルベリヒ : アロイス・ペルネルシュトルファー
 ハーゲン : ヨーゼフ・グラインドル
 グートルーネ : セーナ・ユリナッチ
 グンター : アルフレート・ペル
 フロースヒルデ : ヒルデ・レッスル=マイダン
 ヴァルトラウテ : マルガレーテ・クローゼ
 ヴォークリンデ : セーナ・ユリナッチ
 ヴェルグンテ : マグダ・ガボーリ
 第1のノルン : マルガレーテ・クローゼ
 第2のノルン : ヒルデ・レッスル=マイダン
 第3のノルン : セーナ・ユリナッチ
 RAIローマ放送合唱団
 RAIローマ交響楽団
 指揮:ヴィルヘルム・フルトヴェングラー
 [録音]1953年11月20日(序幕&第1幕)、11月24日(第2幕)、11月27日(第3幕)
 ローマ、アウディトリオ・デル・フォーロ・イタリーコ

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