2013年10月30日水曜日

ヤンドーのハイドン:ピアノ・ソナタ全集 その5

ハンガリーのピアニスト
イエネ・ヤンドー(1952 - )さんの
ハイドン:ピアノ・ソナタ全集

5枚目は、
ウィーン原典版(旧版)の通し番号で、
第29、33-35番のソナタ4曲を聴きました。


フランツ・ヨセフ・ハイドン(1732 - 1809)
 1) ピアノ・ソナタ 第29番 変ホ長調 作品54-2 Hob.XVI:45
 2) ピアノ・ソナタ 第33番 ハ短調 作品30-6 Hob.XVI:20
 3) ピアノ・ソナタ 第34番 ニ長調 作品41-1 Hob.XVI:33
 4) ピアノ・ソナタ 第35番 変イ長調 作品41-4 Hob.XVI:43

イエネ・ヤンドー(ピアノ)
録音:1995年4月6-8日、ブダベスト、ユニテリアン教会
【Naxos 8.553800】

5枚目で一区切りできるので、
全体の構成を整理しておきます。

ウィーン原典版(旧版)の通番でまとめると、

 ピアノ・ソナタ
 第1-10番【8.553824】
 第11-16、18番【8.553824】
 第19、17、28番【8.553826】
 第20、30-32番【8.553364】
 第29、33-35番【8.553800】

となっています。

 第21-27番 Hob.XVI:2a-e,g,h

は、目録によって冒頭主題のみ伝存する曲なので、
CD5枚で第1-35番まですべて聴けることになります。

ちなみにこれは、
ウィーン原典版(旧版)の 1a1b の2巻分に相当します。


ウィーン原典版(旧版)の通番順に、
調性、作品番号、ホーボーケン番号を整理しておきます。

◯第1番 ト長調 Hob.XVI:8 【◯8.553824】
◯第2番 ハ長調 Hob.XVI:7
◯第3番 ヘ長調 Hob.XVI:9
◯第4番 ト長調 Hob.XVI:G1
◯第5番 ト長調 Hob.XVI:11
◯第6番 ハ長調 Hob.XVI:10
◯第7番 ニ長調 Hob.XVⅡ:D1
◯第8番 イ長調 Hob.XVI:5
◯第9番 ニ長調 Hob.XVI:4
◯第10番 ハ長調 Hob.XVI:1

▼第11番 変ロ長調 Hob.XVI:2 【▼8.553824】
▼第12番 イ長調 Hob.XVI:12
▼第13番 ト長調 Hob.XVI:6
▼第14番 ハ長調 Hob.XVI:3
▼第15番 ホ長調 Hob.XVI:13
▼第16番 ニ長調 Hob.XVI:14
☆第17番 変ホ長調 Hob.deest 【☆8.553826】
▼第18番 変ホ長調 Hob.deest
☆第19番 ホ短調 Hob.XVI:47bis
◆第20番 変ロ長調 Hob.XVI:18 【◆8.553364】

「第21番 ニ短調 Hob.XVI:2a
 第22番 イ長調 Hob.XVI:2b
 第23番 ロ長調 Hob.XVI:2c
 第24番 変ロ長調 Hob.XVI:2d
 第25番 ホ短調 Hob.XVI:2e
 第26番 ハ長調 Hob.XVI:2g
 第27番 イ長調 Hob.XVI:2h 」〔目録のみ〕

☆第28番 ニ長調 Hob.XVI:5bis
  (近年楽譜を発見〔一部欠落〕。目録の Hob.XVI2f に同じ)

◎第29番 変ホ長調 作品54-2 Hob.XVI:45 【◎8.553800】
◆第30番 ニ長調 作品53-2 Hob.XVI:19

◆第31番 変イ長調 作品54-3 Hob.XVI:46
◆第32番 ト短調 作品54-1 Hob.XVI:44
◎第33番 ハ短調 作品30-6 Hob.XVI:20
◎第34番 ニ長調 作品41-1 Hob.XVI:33
◎第35番 変イ長調 作品41-4 Hob.XVI:43

となります。

第1-20・28番の21曲には作品番号がなく、
第29番からは作品番号が付されています。

作品番号は原則、
楽譜の出版時に付されたものと推測されるので、

ウィーン原典版(旧版)の第29番からは、
作品番号が付され生前に出版された作品として、

それ以前のものと区別して聴くことが可能です。


出版の際に、新しい作品とともに、
過去の未出版の作品を合わせて出版したため、
作品番号=作曲順といえなくなっているようですが、

現状でも十分にぐちゃぐちゃなので、

作品番号があるものは他と別格にして、
ハイドン生前に出版された作品番号の順にならべ直してみたら、
どのように聴こえるのだろうと思いました。


   ***

さて今回のCD、
3楽章制のソナタ4曲を収録してあります。

 第29番 変ホ長調 作品54-2 Hob.XVI:45
 第33番 ハ短調 作品30-6 Hob.XVI:20
 第34番 ニ長調 作品41-1 Hob.XVI:33
 第35番 変イ長調 作品41-4 Hob.XVI:43

初期の頃とは明らかに異なり、
ほどよくまとまった感じの、充実した内容を聴かせてくれます。

それほど個性が際立っているわけではないので、
少し聴いただけでは似た感じの曲が続いていくのですが、

所々にハッとする美しい瞬間があって、
飽きることなく聴き続けることができました。


仕事のBGMには、
一番ハツラツと勉強をする気にさせてくれるのが
このCDでした。


※Wikipediaの
 「フランツ・ヨーゼフ・ハイドン」
 「ハイドンのピアノソナタ一覧」
 「ハイドンのピアノ曲一覧」
 「ホーボーケン番号」の各項目を参照。

※ピティナ・ピアノ曲事典の「ハイドン」を参照。

※ハイドン研究室「クラヴィア・ソナタの部屋」を参照。

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