2014年9月20日土曜日

ペライアのモーツァルト:ピアノ協奏曲全集 その12

アメリカのピアニスト
マレイ・ペライア(1947-)と
イギリス室内管弦楽団による

オーストリアの作曲家
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
(1756.1.27-1791.12.5)のピアノ協奏曲全集
12枚目を聴きました。
最後の1枚です。


モーツァルト
ピアノ協奏曲 第27番 変ロ長調 K.595
ピアノと管弦楽のためのロンド ニ長調 K.382
ピアノと管弦楽のためのロンド イ長調 K.386

マレイ・ペライア(ピアノ、指揮)
イギリス室内管弦楽団
録音:1979年6・9月(第27番)、EMIスタジオ、ロンドン。1983年10月6日(ロンド)、セント・ジョン・スミス・スクエア、ロンドン。
【SONY MUSIC 88691914112】CD12


モーツァルト32歳の時(1788.2)、

 第26番 ニ長調 K.537

が完成した後、

35歳を目前にひかえ完成されたのが(1791.1.5)、

 第27番 変ロ長調 K.595 でした。

モーツァルトはこの年の12月に亡くなるので、
これが最後のピアノ協奏曲となりました。


最後に収められている
2つのロンドは初めて聴きました。

ピアノと管弦楽のためのロンド ニ長調 K.382 は、

26歳の時(1782.3)に、
ピアノ協奏曲第5番ニ長調 K.175
の新たな最終楽章として作曲されました。

第5番は、
17歳の時(1773.12)に作曲された
最初のオリジナルなピアノ協奏曲です。


ピアノと管弦楽のためのロンド ニ長調 K.382 は、

同じく26歳の時(1782.10)に、
ピアノ協奏曲第12番イ長調 K.414
の新たな最終楽章として構想されました。

第12番は、このロンドと
ほぼ同時期(1782秋)に作曲されています。


  ***

とうとう最後まで到達しました。
第27番のピアノ協奏曲です。

これまでと同じく、
ごく穏当なスタイルの演奏です。

ペライアのモーツァルトは、

穏当なスタイルの中にも、
キラリと光るものが感じられることが多かったのですが、

今回はそれも今一つのように感じました。


録音の加減か、

ピアノの弱音を聴き取りやすくすると、
オケの強奏が耳にうるさくなり、

逆に、
オケの強奏を程良いレベルにすると、
ピアノの微妙なタッチが聴こえなくなるので、

ただなだらかに流れていくだけの演奏になっていました。

復刻の仕方によっては、
見違えって聴こえるかもしれません。



終わりに収められていた2つのロンドは、
もっと鮮明な音質でした。

もともと
ほかのピアノ協奏曲の最終楽章として
作曲されていたそうで、

そんな感じの音楽として
ふつうに聴ける内容でしたが、

特別に耳をひきつけられる
魅力的なメロディがあふれているわけでもなく、

独立した1曲としてコンサート等で取り上げるのには、
曲自体が少し弱いように感じました。


  ***

さて、
モーツァルトの協奏曲、
全曲をじっくり聴いて来たわけですが、

かなり若い時期の作品から、
モーツァルトらしい魅力にあふれていて、
習作だと感じるものはほとんどありませんでした。

とても有意義な時間を送ることができました。

ただ20数曲もあると、
それぞれの曲の個性をまだつかみきれていないのが正直なところです。


どちらかといえば、
ペライアよりもう少し押しの強い、
意志的な強さのある演奏のほうが好みなので、

改めて始めから、
次は内田光子の旧盤で聴き直していこうかな、
と考えているところです。


※Wikipediaの「マレイ・ペライア」
 「ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト」
 「モーツァルトの協奏曲」
 「ピアノ協奏曲第27番(モーツァルト)」の各項目を参照。


※作品の基本情報について、
 ピティナ・ピアノ曲事典「モーツァルト」の項目
 【http://www.piano.or.jp/enc/composers/index/73】を参照。

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