2015年9月1日火曜日

ノイマン&チェコ・フィルのマーラー:交響曲第3番(1981年&94年録音)

チェコの指揮者
ヴァーツラフ・ノイマン(1920.9-1995.9)の指揮する

チェコのオーケストラ
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で、

オーストリアの作曲家
グスタフ・マーラー(1860.7-1911.5)の
交響曲第3番ニ短調を聴きました。


グスタフ・マーラー
交響曲第3番ニ短調

マルタ・ヴェニャチコヴァ(アルト)
ミロスラフ・ケイマル(ポストホルン)
プラハ室内合唱団
(合唱指揮:ルボミール・マーテル)
チェコ・フィルハーモニック少年少女合唱団
(合唱指揮:イルジー・フワーラ)

チェコ・フィルハーモニック管弦楽団
ヴァーツラフ・ノイマン(指揮)

録音:1994年8月31日、9月1-3日、5-7日、プラハ、芸術の家 ドヴォルザーク・ホール
【EXTON OVCL-00253】2006年9月発売

マーラーの交響曲第3番は、

35歳の夏(1895)に第2-6楽章、
翌年に第1楽章が作曲され、8月までに完成されました。

41歳の時(1902.6)に全曲初演されました

交響曲第2番は
35歳の冬(1894.12)に全曲初演されたので、

それほど間を置くこともなく、
第3番が作曲されていたことがわかります。


  ***

ノイマン73歳の時(1994.8)の録音です
(※9月29日が誕生日。あと3週間ほどで74歳。
  翌年9月2日に逝去。)

いろいろ聴いてきたなかで、
現在、一番気に入っているのは
ノイマン&チェコ・フィルの新盤です。

バーンスタインのように
力に任せて押しまくるところが皆無で、
どこも力が抜けているにもかかわらず、

表現の彫りは深く、
心にずっしりと響いてくるのが特徴的です。

自然で穏当な流れを基調としつつも、
無味乾燥に流れていくわけではなく、

すみずみまで指揮者の意図がゆきわり、
楽しく美しく、感動的な演奏が繰り広げていました。

目の覚めるような、
冴え冴えとした何かがあるわけではなく、
物凄い推進力で聴く者を引きずりんでいくこともないので、

初めて聴いて、
強烈な印象を受ける演奏ではないかもしれませんが、

曲がよくわかってくるにつれ、
内容の深さに驚かされる演奏だと思います。

優れた指揮者とオーケストラが、
長い年月をかけて練り上げ到達した境地を聴く思いです。


サロネン盤も良かったのですが、

サロネンの方が、楽譜の読みが独特で、
響きのユニークなマーラーに仕上がっているのに対して、

ノイマン盤のほうが曲の隅々まで知り尽くした上で、
オーソドックスな奏法で極めつきの名演を聴かせてくれていました。

サロネン盤も、
明るく楽しく美しい点では負けていないのですが、
感動面ではさすがに一歩譲ると思います。


  ***

ノイマンはこの11年前、
61歳の時(1981.12)にもマラ3を録音しています。

グスタフ・マーラー
交響曲第3番ニ短調

クリスタ・ルートヴィヒ(コントラルト)
チェコ・フィルハーモニー合唱団
(合唱指揮:ヨゼフ・ヴェセルカ)
キューン児童合唱団
(合唱指揮:イジー・フヴァーラ)

チェコ・フィルハーモニック管弦楽団
ヴァーツラフ・ノイマン(指揮)
録音:1981年12月16-19日、プラハ、芸術の家
【SUPRAPHON 50CO-2444/45】1988年7月発売

古本屋で偶然、格安で見つけて手に入れました。

演奏は、
旧盤のほうが覇気に富んでいて、
一気に全曲を聴き通せる力のある演奏で、
非常に優れていると思うのですが、
録音に問題がありました。

これまでブログで上げてきたマラ3の中では、
いかにも昭和といった感じの一番古めかしい音がしました。

CDが出始めたころにありがちな、
固めの音質で聴きにくいです。

恐らくリマスタリング次第で、
全然違った演奏に聴こえるはずなので、
もっと最近に再販されたものを探して、
聴き直してみたいと思います。

※WIkipediaの「グスタフ・マーラー」「交響曲第3番(マーラー)」を参照。

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