2018年1月29日月曜日

松坂屋美術館の「ミュシャ展 運命の女たち」

去る正月21日(日)に、
名古屋ボストン美術館で「鈴木春信」展を観た後、
名古屋市中区栄にある松阪屋美術館まで、

「ミュシャ展 運命の女たち」

を観に行って来ました。

全国6ヶ所で、
以下の日程で実施される予定です。

 2017年10月14日~11月26日
 美術館「えき」KYOTO
◯2017年12月23日~18年2月18日
 松坂屋美術館
 2018年2月24日~4月8日
 ひろしま美術館
 2018年4月20日~5月27日
 福岡アジア美術館
 2018年6月2日~7月15日
 静岡市美術館
 2018年7月20日~9月2日
 鹿児島市立美術館

名古屋は2番目の会場で、
松坂屋美術館とCBCテレビの主催でした。


図録のあいさつには、

「19世紀末から20世紀初頭、
 ヨーロッパで起こった芸術運動アール・ヌーヴォー
 の旗手として知られるアルフォンス・ミュシャは、
 1860年に現在のチェコ共和国
 モラヴィア地方イヴァンチッチェで生まれました。」

「パリに移ったミュシャは、出世作となった
 大女優サラ・ベルナールの劇場ポスターをはじめ、
 数多くの女性像を優美に繊細な表現で描き出し、
 瞬く間に時代の寵児となります。
 その手法はミュシャ様式と呼ばれ、
 アール・ヌーヴォーの代名詞になりました。」

「本展では、『運命の女たち』というタイトルが示す通り、初恋に始まり、栄華を極めたパリ時代、そして晩年に至るまで、女性を描き続けたミュシャの人生を彩った女性たちに焦点をあて、ミュシャ芸術をご紹介いたします。」

「出品される作品は、モラヴィア地方にある
 ミュシャの生家からほど近くに在住する
 医師ズデニュク・チマル博士の親子3代に亘る
 膨大なコレクションから厳選したもので、
 ポスター、装飾パネル、さらには油彩画、素描画、水彩画など
 約150点に及びます。」

とありました。(改行はブログ編者による)


ミュシャの展示は学生の時に1度観ているので、
画風はよく覚えていましたが、

いつどこで観たのか、
具体的なことを思い出せないくらいでしたので、
ほぼ初めて観るような、新鮮な感動を味わうことができました。

この展示は、ミュシャの生家の近くに住む
医師ズデニュク・チマル博士のコレクション
から幅広く紹介されたもので、

資料を欠いている時期は、
映像などを用いて補いながら、
ミュシャの生涯を一通り辿れるように構成されていたので、
大変勉強になりました。

以前に観たときは、
パリで活躍したときの
芸術家としての側面が強調されていたので、
すっかりフランスの方だと思い込んでいましたが、

現在のチェコ共和国モラヴィア地方出身で、
晩年は祖国に戻って大作《スラブ叙事詩》を描かれた方で、
チェコの人々にとって最重要な芸術家であることは、
恥ずかしながら今回初めて気がつきました。

圧倒的な力でねじ伏せるような
勢いや冴えはあまり感じないのですが、

どの作品も、誰にでも親しみやすく、
わかりやすいデザインで語りかけて来て、
身近なものがより鮮やかに、印象深く感じられる
ミュシャ独特の画風を知ることができました。


  ***

今回は展示では、
ミュシャの芸術活動の集大成として
《スラブ叙事詩》を紹介していたのですが、
作品それ自体は映像でも展示されていませんでした。

どんな作品なのかと調べてみると、
なんと1年前の2017年3月8日から6月5日まで、
東京の国立新美術館で
「国立新美術館開館10周年
 チェコ文化事業 ミュシャ展」
が開催され、この時、
《スラヴ叙事詩》全20作が、
チョコ国外で世界初公開されていたことを知りました。

巨大な作品で、
そう簡単には国外への貸出を許可されないはずなので、
絶好の機会を逸していました。

図録はまだ購入できるようなので、
無くならないうちに手に入れようと思います。

長くなったのでここまで。
ミュシャの作品にはこれから注目していきたいです。



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