週末、岐阜県の多治見市文化会館まで、
コバケンさんのコンサートを聴きに行って参りました。
読売日本交響楽団 コバケンスペシャル in Tajimi 2011
グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64
ブラームス:交響曲 第1番 ハ短調 作品68
バイオリン:荻原尚子
指揮:小林研一郎
読売日本交響楽団
2011年12月4日(日)17:00開演
多治見市文化会館大ホール
先週、コンサートのことを知り、
当日になって電話をかけてみたところ、
まだ少し残っているとのこと、
S席を購入し、電車で1時間半ほどかけて、
聴きに行って参りました。
多治見市文化会館は
ちょうど30年前の昭和56年に開館したそうです。
ほどほどの大きさの、ほどよい響きの、
昭和の多目的ホールでした。
今回の嬉しい誤算は、
メンデルスゾーンを弾いた荻原尚子さんです。
これまで存じ上げていなかったのですが、
ケルンWDR交響楽団のコンサートミストレスを務められている、
豊田市出身のヴァイオリニストだそうです。
メンコンを生で聴いて感動したことはなかったのですが、
今回は音が直接心に響いて来て、とても感動しました。
とくに奇を衒ったところはなく、
正攻法で、心にしっかりとどく音楽を奏でられる方で、
チャンスがあれば、また聴いてみたいと思いました。
アンコールとして、無伴奏曲
クライスラー:レチタティーヴォとスケルツォ・カプリース 作品6
が演奏されました。
コバケンさんのブラームスは
10年以上前に、名フィルとの演奏で、
第2番と第3番を聴いた記憶があります。
今回の第1番、まず感じたのは
読売日本交響楽団の鳴りの良さです。
読売さんは初めてなので、
いつもこうなのかはわかりませんが、
何もここまでと思うくらい、オケが鳴りまくっていて、
ところどころ、ホールの容量をこえているように感じるくらいでした。
コバケンさんの指揮は、
重厚に踏みしめる部分の壮絶さと、
叙情的に歌わせる部分の軽やかさとのコントラストが美しく、
ブラームスの曲の良さを、十分に味わうことができました。
以前と比べて、
コバケンさんの長所を残しつつ、
より彫りの深い、曲の真実に迫る音楽が奏でられていて、
ただただ感動しました。
今後、これをこえるブラ1の実演に接するのは
いつのことになるでしょう。
私の理想からいえば、
枯れた味わいのほとんどないブラームスには、
ごくわずかに違和感があったことも確かですが、
地方公演の初日で、
鳴りの良いオケを相手に、
まずはオケを鳴らしきることに主眼をおくのは、
当然のことでもあったと思います。
最後に、
アンコールとして、弦楽合奏で、
「ダニー・ボーイ」が演奏されました。
何度かコバケンさんの演奏会に足を運んでおりますが、
やっと聴けました。
なるほど。
涙がこぼれました。
コバケンさんと萩原さん、
そして読売日本交響楽団の方々に感謝です。
追記
コバケンさんと読売さんのコンビで、
今のままで120%長所が引き出せるのは、
マーラーが一番だと思いました。
しかしより新しい試みとして、
モーツァルトの後期6大交響曲と、25番、29番あたりを
まとめて取り上げたら、面白いことになるんじゃないかな、
と強く感じました。
そんなことは、誰も感じていないかな。
でもオーソドックスな中に、曲の本質をつらぬいた、
すばらしい演奏になる気がしました。
初めて読売交響楽団を聴いた際の
ひらめきとして記しておきます。
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