2011年12月10日土曜日

武久源造のシューベルト:即興曲作品90&142

先にバッハのゴールドベルク変奏曲
の美演を紹介した武久源造さんのCD、

前から気になっていた
シューベルトの即興曲集を手に入れて聴いてみました。



鍵盤音楽の領域 vol.4
[フォルテピアノコレクションⅠ]

ファンツ・シューベルト(1797~1828)
即興曲 作品90 D.899
 第1番 ハ短調
 第2番 変ホ長調
 第3番 変ト長調
 第4番 変イ長調

即興曲 作品142 D.935
 第3番 変ロ長調
 第1番 ヘ短調
 第2番 変イ長調
 第4番 ヘ短調

武久源造(フォルテピアノ)

楽器:マテウス・アンドレアス・シュタイン
(ウィーン ca1820製作)
 古典調律1/8 a430Hz
山本宣夫修復 ヤマモトコレクション所蔵

録音:1997年12月9-11日、入間市市民会館

【ALCD-1019】


フォルテピアノというのは、
倍音をたくさん含んだやわらかな響きで、
現代のピアノほどハッキリくっきりしているわけではないので、
聴いていきなり心をわしづかみにするような力強さには欠けるかもしれません。

しかし聴くごとに
じわりと染み込んでくる味わい深さがあり、
シューベルトの音楽にはもってこいだと思いました。

一つ一つの旋律が心地よく響いてきて、
物悲しくも美しいシューベルトの音楽が、
向こうからじわりと歩み寄ってくるような、
深い感動を味わうことができました。

シューベルトの即興曲は、今まで
それほどの感動は受けずに来たのですが、
武久さんの演奏で、はじめて十二分の感動を得ることができました。

ゴールドベルク変奏曲も、
聴くごとに私の中での価値が高まっていったので、
このCDも時間が経つにつれ、
さらによりよく感じられるようになりそうです。

全集にはあまり興味のない方のようですが、
ぜひソナタの方も、何曲か取り上げていただきたいと思います。

武久さんとは響きの志向が合うのか、
どれも私には好ましい響きがします。

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