2016年10月3日月曜日

小澤征爾&シカゴ交響楽団のベートーヴェン:交響曲第5番《運命》(1968年録音)

小澤征爾(1935.9- )の指揮する
シカゴ交響楽団の演奏で、

ドイツの作曲家
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
(Ludwig van Beethoven, 1770.12.16-1827.3)
交響曲第5番《運命》 と、

オーストリアの作曲家
フランツ・シューベルト
(Franz Schubert, 1797.1-1828.11)
交響曲第7番《未完成》 を聴きました。


ベートーヴェン
①交響曲第5番 ハ短調 作品67《運命》
シューベルト
②交響曲第7番 ロ短調 D789《未完成》

小澤征爾(指揮)
シカゴ交響楽団
録音:1968年8月9日、シカゴ、オーケストラ・ホール
【SICC-1787】2015年4月発売

小澤氏79歳の時(2015.3)に録音された
水戸室内管弦楽団との《運命》を聴いて、
昔はどうだったのか気になりました。

遡ること47年、32歳の時(1968.8)に録音された
シカゴ交響楽団との《運命》が最近復刻されたので、
聴いてみることにしました。

その結果、
同一人物なので当然のことかもしれませんが、
基本的なスタイルは30代の時から変わっていないことを確認できました。

楽譜を変に深読みしないで、
正攻法で真っ正面から切り込んでいくスタイルは、

失敗すると、
味も素っ気もない空虚さと隣り合わせなので、
必ずしもそこにこだわる必要はないと思うのですが、

正攻法で攻めて、
しかも圧倒的な感動を与えられるのなら、
非難されるいわれはないでしょう。


新旧2つの録音とも、
基本的なスタイルは変わっていないのですが、
私にとって魅力的だったのは旧録音のほうでした。

解釈面で非の打ち所のないのは、
経験値が生かされている新録音のほうで、
旧録音ではごく僅かながら接続にぎこちなさを感じるところがありました。

それでも、
若い指揮者のもとに強い共感をもって演奏する
シカゴ交響楽団の分厚い響きが実に魅力的で、

あふれんばかりの若々しい情熱がそのまま再現されていて、
率直に心を動かされました。

大オーケストラの懐の深い響きと比べると、
室内オーケストラでは多少の聴き劣りがするのは仕方がないことかもしれません。

1968年録音の《運命》は、
今聴いても十分に感動できる正攻法の名演だと思います。


小澤氏の指揮による《運命》は、
この他にも

 1981年1月録音 ボストン交響楽団
 2000年9月録音 サイトウ・キネン・オーケストラ

の2つがあるので、今後機会があれば聴いてみたいと思います。

なお、
併録されている《未完成》は凡演でした。
《運命》と同じスタイルなのですが、

独特の歌心なしで、若さと情熱だけを武器に、
シューベルトに立ち向かうのは無理があるように感じました。

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