ロリン・マゼール(Lorin Maazel, 1930.3-2014.7)が指揮する
ドイツのオーケストラ
バイエルン放送交響楽団の演奏で、
オーストリアの作曲家
フランツ・シューベルト(Franz Schubert, 1797.1-1828.11)の
交響曲全集を聴いていきます。
マゼール71歳の時(2001年)のライブ録音です。
まずはCD1枚目、
交響曲第1・2・6番を聴きました。
◯CD1
交響曲第1番ニ長調 D82(1813年10月完成)※16歳
交響曲第2番変ロ長調 D125 (1815年3月完成)※18歳
交響曲第6番ハ長調 D589(1818年2月完成)※21歳
ロリン・マゼール指揮
バイエルン放送交響楽団
録音:2001年3月13日(第1・2番)、同18日(第6番)
【BR KLASSIK 900712】2013年発売
シューベルトの交響曲全集は学生のころ、
ブロムシュテット&シュターツカペレ・ドレスデンの
廉価版のCDを手に入れたのが最初でした。
しかしこの時は、
どこが良いのかわからない退屈な音楽に聴こえてしまい、
その後しばらく交響曲から遠ざかるきっかけになってしまいました。
初めて聴くには、
ブロムシュテットの無作為なスタイルが
合わなかったようにも思いますが、
当時の廉価版にありがちな残念な音質で、
心に届いてこなかった可能性も大きいです。
その後、
インマゼール&アニマ・エテルナの
斬新で目の覚めるような演奏を聴いて、
シューベルトの交響曲の魅力に気がつけたのですが、
こちらはそれほどオーソドックスなスタイルとは言いかねる激しさなので、
やはり依然として、
現代のオーケストラがふつうに演奏して楽しめる曲とは違うように感じていました。
今回の
マゼール&バイエルン放送交響楽団の演奏、
彼にありがちな嫌味を感じるところが皆無で、
ひたすら音楽に奉仕してオーソドックスでありながら、
中身のつまった充実した演奏を聴かせてくれています。
少しだけ速めのテンポで、
指揮者の意志をしっかり通しながら
耳に心地よいオケの響きを引き出した快演です。
、
シューベルトってこんなに素敵な音楽を書いていたのかと、
再発見する瞬間にたくさん出会えました。
***
CD1の第1・2・6番は、
どれも同じレベルの充実した名演です。
まったく個人的な感想としては、
第1番>第2番>第6番
の順で好きです。
あまり評価が高くありませんが、
シューベルト16歳、18歳の時に作られた
第1・2番はよく出来た名曲だと思います。
第6番は第1・2番に比べて
才気煥発なところがやや薄れているように感じました。
第3・4・5番を聴いてからもう一度戻ってくると印象が変わるかもしれません。
このCD、
1点だけ少し残念なのは、
実況用のライブ録音をそのままCD化している様子なので、
音質が最高レベルとは言いかねることでしょうか。
あとほんの少し分離がよければ言うことなしなのですが、ふつうのFMラジオから聴こえてくるライブ放送を聴く心持ちで聴けば、それほど気にならないようにも思います。
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