2011年10月21日金曜日

グリュミオー&ハスキルのベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第5・6・7番


CD-2
ベートーヴェン
ヴァイオリン・ソナタ 第5番 へ長調 作品24「春」
 同 第6番 イ長調 作品30の1
 同 第7番 ハ短調 作品30の2

アルトゥール・グリュミオー(ヴァイオリン)
クララ・ハスキル(ピアノ)

録音:1957年1月(第5番)、
   1957年9月(第6番)、
   1956年12月(第7番)ウィーン

【BRILLIANT CLASSICS 93329】



グリュミオーさんとハスキルさんによる
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集、
2枚目です。

有名なスプリング・ソナタ(第5番)を筆頭に、
あまり演奏される機会のない第6・7番を収めてあります。


涼やかな風が吹き抜けてゆくような、
思わずハッとさせられる、凛とした美しさをもった演奏です。

すっきりとした切れ味のよい、
しかし絹のような目の細やかさをもった
ヴァイオリンの音色に、
素朴で味わい深い上品なピアノの伴奏が
絶妙にからみ合って、

室内楽を聴く醍醐味を味あわせてくれます。

第5番が良いのは当然のこととして、
第6・7番も、恐らくはじめて、
十分納得できる演奏に出会えました。

アンサンブル重視で
ここまで練られた演奏で聴けば、
第5・9番以外の曲も、なかなか良くできていると思えます。


おそらくヘッツェルさんが無事に
ベートーヴェンのソナタに取り組めていたなら、
こんな感じの演奏になっていたのではないでしょうか。


もうすぐグリュミオーさんの録音が
まとめて再販売されるようなので、
まずどれか一枚買ってみて、
よい音質であれば、

いろいろ買い揃えようかと思っております。

2011年10月17日月曜日

広上淳一&京都市響のベートーヴェン:交響曲第4番など

広上さんの新譜、やっと手に入れました。
期待以上の出来で、とても満足しました。


広上淳一指揮 京都市交響楽団定期演奏会
名曲ライブシリーズ

CD-1
チャイコフスキー:
イタリア奇想曲 op.45

プロコフィエフ:
ヴァイオリン協奏曲 第2番 ト短調 op.63
 ※黒川侑(ヴァイオリン)

ラフマニノフ:
パガニーニの主題による狂詩曲 op.43
 ※河村尚子(ピアノ)

 ※以上、第527回定期演奏会、ライブ収録
 (京都コンサートホール、2009年8月9日)


CD-2
ベートーヴェン:
交響曲 第4番 変ロ長調 op.60

 ※第533回定期演奏会、ライブ収録
 (京都コンサートホール、2010年3月27日)

シューマン
交響曲 第3番 変ホ長調「ライン」op.97

 ※第535回定期演奏会、ライブ収録
 (京都コンサートホール、2010年5月21日)

【KSOL-1001/2】



広上淳一さんは、
私が大学生のころに指揮者としてスタートされて、
日本フィル、ノールショッピング交響楽団などでの
ご活躍を目の当たりにして来ました。

これからという時期にしばらく休養もされて、
どうなるかなあ、と思っていたところ、

アメリカのコロンバス交響楽団の音楽監督に就任されて、
いよいよ復活か、と思っていたのですが、
数年で離任することになりました。

しかしコロンバス響を離任する少し前に
常任指揮者への就任が決まった京都市交響楽団と
よい関係が築けているようです。

今回発売されたCDは、たいへん充実した内容となっております。


録音もたいへんすばらしく、
ムントさんと録音で聴いていたときの京響の響きとはまるで違っていて、
オケの洗練された、美しい響きがそのまま伝えられているのが嬉しいです。

広上さんのCDは、
なかなかライブの熱気をそのまま伝えているものが少なかったので、
たいへんありがたいです。

収録された作品のうち、
ずばぬけて良いのは、チャイコフスキーとラフマニノフです。

イタリア奇想曲のほうは、
そもそも録音があまりないのですが、
楽しい佳曲で、広上さんの魅力満載です。

河村さんのピアノはセンスのかたまりで、
広上さんとよいコンビだと思いました。

これまでそんなに好きな曲ではなかったのですが、
広上さんのふるオケともども、
ひらめきに満ちたリズムと、
叙情的な歌にあふれていて、
稀に聴く名演となりました。

今後、パガニーニ狂詩曲といえば、
この演奏を選ぶことが多くなりそうです。

プロコフィエフは、
ライブでこれだけ聴かせてくれれば
大成功といったよいレベルです。


交響曲は、ベートーヴェンの第4番に驚きました。

とくに作為的なことはしていないはずなのですが、
所々この曲こんな響きがしていたっけ、と思わせられる、
ベートーヴェンのオーケストレーションの斬新さが伝わってくる演奏でした。

それでいて大元のベートーヴェンを聴く楽しさ、
感動も十分に伝わってきて、私にとっての大収穫でした。

広上さんのベートーヴェンは、
今後注目していきたいです。


シューマンは
ベートーヴェンと同じような切り口で、
十分成功といってよい演奏だと思いますが、

わたしにはほんの少し、
曲が停滞するようにも聴こえました。

前へ前へと進んでいく推進力といったものが加味されると、
シューマンも鬼に金棒だと思いました。


やはりこれだけ新鮮な響きを、
ひらめく瞬間を多く聴かせてくれる指揮者は他にいないので、
今後も充実したお仕事を続けていただきたいです。


なお、
CDには「名曲ライブシリーズ」とあるので、
ぜひ第2弾、第3弾と続けていただきたいです。

それだけの価値ある演奏をくり広げていると思います。

2011年10月13日木曜日

ハイドシェックのバッハ:パルティータ 第4・5・6番


J.S.バッハ
パルティータ第4番ニ長調 BWV.828
パルティータ第5番ト長調 BWV.829
パルティータ第6番ホ短調 BWV.830

エリック・ハイドシェック(ピアノ)

録音:1975年(4・5番)、1976年(6番)
【Cassiopee 969194】



続いて、2枚目を聴きました。

ハイドシェックさん、
バッハのパルティータの後半です。

際立ったリズム感に美しいタッチ、
ずば抜けた音楽性に支えられた、
聴いていてウキウキ、ワクワクする、
ピアノで弾かれたバッハです。

第4・5番と長調の曲が続くので、
私はどちらかといえば、この2枚目のほうが好きです。

現代ピアノの能力をフルに引き出した
楽しく美しく、バッハを聴く魅力満載の演奏です。

型にはまった
厳しい感じの演奏ではないので、
もしかしたら、バッハらしくない
という批判はありえるのかもしれませんが、

こんなに楽しい、
ハッとする瞬間だらけの
演奏を聴かないのはもったいないので、
これはこれで
一つのスタイルとして認めれば良い、
と私は考えています。


なお、パルティータとは「組曲」という意味です。

J.S.バッハ(1685年生、1750年没)
のパルティータ(鍵盤楽器のための組曲)は、

「クラヴィーア練習曲集第1巻」(全6曲)として、
1726年から1730年の間に出版されました。

大バッハ40代前半の作品ということになります。