2011年7月22日金曜日

小林研一郎&チェコ・フィルのベートーヴェン:交響曲第1・7番



ベートーヴェン
交響曲 第1番 ハ長調 作品21
交響曲 第7番 イ長調 作品92


チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
小林研一郎(指揮)


2011年4月14~16日、
プラハ、ルドルフィヌム、ドヴォルザーク・ホールにてライブ収録。
【OVCL-00445】

コバケンさんのベートーヴェンが良くなってきたのは最近のことです。

かつては、ベートーヴェンやブラームスになると、
CDでは響きが耳にうるさく、あまり楽しめなかったのですが、

60代後半に2度、大晦日に、交響曲全9曲を取り上げたあたりから、
響きにぐっと深みを増してきて、すばらしい演奏が聴かれるようになったと思います。


第3番、第2・5番と聴いてきて、
今回の第1・7番はさらに輪をかけて素晴らしい仕上がりとなりました。

コバケンさんのベートーヴェンは、
古楽器風の新しい奏法に組みすることなく、
真正面から楽譜を読み込んで、昔ながらのオケの響きを重視して、
真摯に音楽を紡いでいく正攻法。

第3番では少々力が入り過ぎている感もあったのですが、
第2・5番はうまく力がぬけて、音楽的な、歌にあふれた演奏になっていました。

今回の第1番は、第2番と同じ路線。
かつてのブルーノ・ワルターを思い出しましたが、私はこちらのほうが好きです。


第7番は、驚きました。
ここまで立派な、しかし音楽的な演奏は聴いたことがありません。
やわらかい歌にあふれながら、
全体の構成感も揺るぎないのは流石です。

第5番のときの立派さに、
第3番のときの意志の強さをかけ合わせたような、
めったに聴かれない第7になりました。

今年の秋に第4・8番を取り上げて、
あとは第9を残すのみとなるはずなので、
ぜひとも完結させていただきたいです。

欲をいえば、
この成果をもとに、日本のオーケストラとも、
さらなる高みに達したベートーヴェン全集を作ってほしいな、
と願っております。

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