2011年8月3日水曜日

大友直人&東響の佐村河内守:交響曲第1番

話題作です。
佐村河内守さんの新作交響曲です。
聴いてみました。



佐村河内守
交響曲第1番《HIROSHIMA》


東京交響楽団
大友直人(指揮)
録音:2011年4月11・12日、パルテノン多摩(大ホール)
世界初録音
【DENON/COCQ84901】

数年前に自伝『交響曲第一番』(講談社、平成19年11月)が出版され、
その後いくつかのメディアで取り上げられていましたが、
あまり興味がなくそのままになっておりました。

この度のCDも、
《HIROSHIMA》という題名に若干の政治性を感じ、
はじめは聴くつもりがなかったのですが、
たまたま最終楽章の動画を拝見し、その圧倒的な音楽に感銘を受け、
全曲を聴いてみることにしました。

恐らく今後、自伝をひもといたり、
くり返し聴いたりすることで、
違った感想を抱くことになると思いますが、
まずは大まかな印象を、つづらせていただきます。

全3楽章。
全体の印象としては、救いのあるショスタコービッチ。
時にチャイコフスキーやラフマニノフを思わせる美しい場面もあって、
わかりにくい音楽ではありません。

ただし曲全体の構成には、問題があるように感じました。

3楽章とも、ゆっくり始まってゆっくり終わる音楽で、
ブルックナーのアダージョを3つ続けて聴かされているようでした。
(20分、35分、27分。)

1楽章ずつ取り上げて聴く分には、
大変深みのある音楽だと思いますが、
3楽章続けて聴くのは少々しんどいです。

でもCDで聴く分には、
3つ続けて聴く必要はないので、
1楽章ずつ、もうしばらく味わってみようと思います。

私の好みからいえば、
第3楽章のみであれば、かなりの名曲だと思います。

他の2楽章は、まだつかみどころがありません。



※2014年2月になって、
 この作品は、佐村河内守氏の指示のもと、
 新垣隆氏が作曲された作品であることが明らかになりました。

 そのこと自体はよくある話のようですが、
 佐村河内氏の生い立ち、障害などについて、
 少なからず嘘があったのではないかと指摘され、
 現在問題になっております。

 このCD発売後、NHKなどで特集が組まれ、
 人気に火がついていたようですが、
 ふだんテレビを観ないので、
 その後のことはあまり興味がわきませんでした。

 この交響曲への評価は、上記の通りです。

 個人的にはこのあとに続く、
 交響曲第2番、第3番への期待が大きかったので、
 このような形で終わってしまったのは大変残念です(2014.2.12)。
 

2 件のコメント:

  1. みんな第三楽章が好きですね。

    わたしは、第一と第二、特に第二楽章が素晴らしいと感じています。

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  2. コメントありがとうございます。
    このブログ以降、聴き返すことがないままでした。
    しばらくぶりに、聴き直してみようと思います。

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